2023年3月16日木曜日

「おどろきのウクライナ」

成績会議が終わって、学園での1年間も一区切りついた。ちょうどJRがまた遅れたので、尼崎駅の本屋で1年間のご褒美として新書を1冊購入した。「おどろきのウクライナ」(大澤真幸&橋爪大三郎:集英社新書)である。帯には、橋爪氏の次のような文章が書かれていたからである。

人々はなぜ、驚いたのか?それは、自明だと考えていた前提があっさりと崩れ去ったから。自由と人権と民主主義と、資本主義と法の支配と、言論の自由とナショナリズムと。世界は陽の当たる西側の世界を中心に回っている。それ以外の場所にも少しずつ、陽は射し始めている。世界はだんだんましな場所になっていく。ーそういう思いを共有しない、異質な他者がいる。もしかしたら、この世界の本質は、その異質な他者のほうがよく見えているのかもしれない。それならば、西側がこの戦争に勝てばよい、という話ではない。大事なのは、この世界に隠れているマグマのありかを突き止めること。それは実はもう始まっている。「ポスト・ウクライナの世界」を見極めること。

この文章の続きは、次のようになっている。ポスト・ウクライナ戦争の世界の全貌が明らかになるには、もう少し時間がかかりそうだ。アメリカは覇権を失って凋落し、中心のない他局世界となるだろう。中国が巨大なプレーヤーとして、我がもの顔でふるまうだろう。インドも存在感を増すだろう。国連は機能せず、紛争が続発するだろう。旧大陸の文明や伝統が息を吹き返し、堂々と存在を主張し始めるだろう。はっきりとした見通しと哲学がないと、自分がどう歩むか、針路を見つけられない。

…このところ我がブログには、アメリカからの閲覧が多いので、申し訳ないのだが、私は橋爪氏の予言「アメリカは覇権を失って凋落する」ということについては、梅田大統領就任後、顕著に現れていると思う。そもそも大統領選挙であれだけの不正を行い、メディアや裁判所を味方につけ、勝利したと居座った犯罪の動かぬ証拠が出てきた。一昨年1月6日の国会議事堂襲撃事件がペロシの指示の下行われたことが、中間選挙で勝利した共和党下院議長のもと、当日の監視カメラの映像公開によって、アメリカ国民の前にさらされた。このアメリカ民主主義の崩壊の証拠をアメリカ国民はどう見ているのだろう。しかも、長引くインフレに対して、FRBがまた金利を上げる予定だったところで、シリコンバレー銀行、さらにトランプ家と長年取引していたが1月6日以後裏切ったことで有名なNYのシグネチャー銀行も破綻した。リーマンショックの再来になるかどうかは分からないが、梅田政権は預金を保証するなどと、信用できない言い逃れをしているようだ。もし本当に保証するのなら当然税金からであり、国民の怒りを招くだろう。インフレは一過性、と言及した梅田の責任はどうなるのか。外交面でも、梅田=アメリカは、サウジとの関係を悪くし、あろうことかイランとサウジが中国の仲介で国交正常化した。すでにアメリカは中東での影響力を失いかけている。中国がさらに覇権を拡大するかは、中国経済が砂上の楼閣なのでわからないが、BRICSがさらに力をつけ、G7と並んでいく可能性は十分にありうると私も思う。ウクライナに加えて、イスラエル対イランの戦争が起こったとして、前述の構図が顕になるかもしれない。

…というわけで、この本の内容も、他と併読しながら、エントリーすることになると思う次第。

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