2020年4月5日日曜日

イスラエル超正統派 感染問題

https://mtolive.net/
イスラエルの、ユダヤ教超正統派の人々の感染が進んでいるようである。NHKを始めとした日本のメディアも伝えているが、ここは一番信用できるオリーブ山便り(オリーブ通信にリニューアル)の記事からエントリーしたい。
https://mtolive.net/ 4月3日付「部寧・ブラックを2週間の封鎖ゾーンに指定」「隔離不能な超正統派:400人規模群衆で葬式実施」
   
イスラエルでの感染者は人口90万人のエルサレムが916人と最大だが、ブネイ・ブラック(テレアビブ郊外)は20万人中900人。人口の38%・75000人が感染しているとHMOが警鐘を鳴らしている。この町は、超正統派の居住区で、3月29日に著名なラビ(宗教指導者)の葬儀があり、400人が集まった。イスラエルのチーフ・ラビは、シナゴーグの閉鎖、10人以上で祈る場合は屋外で距離を開けるよう、また葬儀でも20人以上の集まりを禁止と指示したが、守られなかった。警察は400人ですんだと述べている。なぜなら、彼らは政府(=人定法)ではなくトーラー(=神定法)に従うので、政府の外出規制はあまり守られていない。

というわけで、イスラエル政府は、ブネイ・ブラックを封鎖、イスラエル軍12000人と軍用車3000台を投入した。高齢者4500人を特別な隔離施設に移動させるとのこと。まもなく、出エジプトを記念する過ぎ越しの祭りが始まる。8日の夕方から16日の夕方まで、家族が集まり祈るユダヤ教にとって重要な儀式である。これでさらに感染が広がる可能性が高い。

ニューヨークでも感染が広がっているが、超正統派ユダヤ人居住区での感染が多い事が指摘されている。反ユダヤ主義によるテロが加速する恐れが十分ありうる。

…「超正統派」はユダヤ人国家イスラエルの中でも特別な存在である。全員が無職で、トーラーの研究をしている。兵役の義務もない。生活保護世帯だともいえる。正直なところお荷物的存在なのだが、ユダヤ教徒にとって、彼らをないがしろにはできない、そんな存在だ。警察もラビの葬式の際は無理に解散させたりしなかったのはそういう背景がある。暴動にも発展しかねないし、政府の政策を説いても無理だからだ。まして、超正統派は子だくさんであり、貧しく密集して住んでいる。感染し放題の実に困った存在である、といえる。とはいえ…。

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