2017年5月31日水曜日

IBTの話(100) マグロ経済学

今年の総合科目の公民分野は、政治から入った。学生の日本語力の向上に合わせて学習の進度を考えているわけである。今は、需要供給曲線を終えて、マクロ経済に突入したところである。

ここで、マレーシアの経済状況はどうかという質問をぶつける。多くの学生は、あまりよくないのではないかという感覚を持っている。KLは相変わらずの建設ラッシュで、こんなに工事ばかりしていて大丈夫なのか?という素朴な不安を抱いているようである。先日の日経に、マレーシアの輸出がシンガポールと並んで好調であること、またパナソニックがマレーシアに液晶TVの工場を建設するといった記事が載っていた。マレーシアの代表的な銀行であるメイバンクの収益も好調らしい。こんな最新情報を伝えることにしている。学生の中には、そういったマレーシアの経済ニュースに目を通している者もいたりする。実によろしい。用語が難解で、自分の頭の中でシミュレーションしなくては理解しづらい経済学である。できるだけマレーシアの情報をいれることで属性を刺激したいと思うのである。リンギ安が輸出に有利であるとか、有効需要としてのマラッカ・ゲートウェイ、さらにマレーシアと日本の雇用問題などに触れ、マクロ経済の導入とした。

経済はマグロである。常に前に進んでいないと死んでしまう。ということを説明して、マグロ、いやマクロ経済に入っていく。(笑)

ストックとフローの話の後、GDP、GNPの相違、NIの三面等価の法則…。こういう話は、ある程度日本語能力が中級の後半くらいにならないと学生も苦しいと思われる。私費生も国費生もちゃんとついてきてくれている。

こうして考えると、昨年はかなり日本語能力と学習内容に断層があったように思う。4月の段階で、アジア通貨危機についてやったのだ。昨年の学生は大変だっただろうなあと、今更ながらに思うのだ。

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