2016年11月25日金曜日

池上彰 東工大講義を読む。

池上彰氏の「池上彰教授の東工大講義-この社会で戦う君に知の世界地図をあげよう」(文春文庫/15年3月10日発行)を読んだ。前にもエントリーした通り、理系の国費生に対して1月から行う講義のための通読である。

本の中身に関しては、わざわざエントリーするような専門的な発見はなかったけれど、理系の学生に教養としての社会科を教えるうえで、どういう視点が必要か,それと様々な細かな示唆は十分得ることができたと思う。目次は以下の通り。およその感覚がつかめる。

1.科学と国家 実は原爆を開発していた日本
2.国際情勢  世界地図から見える領土の本音
3.憲法     日本国憲法は改正すべきか?
4.金融     紙切れを「お金」に変える力とは
5.企業     悪い会社、優れた経営者の見分け方
6.経済学   経済学は人を幸せにできるか
7.世界経済  リーマンショックとは何だったのか?
8.社会保障  君は年金に入るべきか
9.メディア   視聴者が変える21世紀のテレビ
10.宗教    オウム真理教に理系大学生がはまったわけ
11.社会革命 「アラブの春」は本当に来たのか?
12.アメリカ  大統領選でわかる合衆国の成り立ち
13.中国    なぜ「反日」運動が起きるのか
14.北朝鮮  ”金王朝”独裁三代目はどこへゆく
15.白熱討論 君が日本の技術者ならサムスンに移籍しますか?


日本の東京工業大学の学生より、はるかに日本語能力も社会科の基礎知識(マレーシアでは、高校から完全に理系カリュキュラムになっている故)もないので、当然そのまま使うわけにはいかない。国費生は、マレー系でムスリムであることも、十分検討したうえで、講義内容をしぼっていかなくてはならないと思う。

やはり、近代国家論と多民族社会のマレーシアを基軸に、日本で学際的な教養を身に着けるために何を学ぶか、その基礎となるような講義ということになるかなあ、と思う。ある意味、4月から私がずっと考えていることをぶつけることが理に適っているのではないだろうか。もちろん、自身で思考せざるをえないような講義にしたい、と考えている。

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