2014年5月14日水曜日

”WICKED” その2 友情

我が4組の団活動の方は、体育祭のダンスを中心に着実に進んでいる。担任としては、大いに満足している。文化祭の舞台の方も、同時に進めなくてはならない。ちょうど今日は、PTAの行事が午後に予定されていて、教師は15:00くらいからPTAとの会議があるが、生徒は半ドン(週休二日制になって死語になりつつあるコトバだ。)だった。で、今日は舞台のシナリオを書く予定の男子を中心にミーティングを開くことにした。朝のSHRで紙を配り、いろいろなアイディアやキャスティングへの希望などを全員に書いてもらい、リーダーに渡すよう指示しておいた。

放課後、まず皆の意見を集約してから、いろいろと話をした。さすがリーダーというより「責任者」である。ミュージカル・WICKEDの内容については熟知していた。私自身、よく知らなかったので、授業のない空時間にウィキのページを印刷して、何度も読んだ。あらすじを理解するのにだいぶかかった。

ごく簡単にWICEDの内容をまとめると、次のようになる。
「OZの魔法使い」でドロシーが竜巻でやって来た時、偶然悪い魔女がその下敷きになる。それが、この物語の主人公、緑色の顔をした魔女である。正しい魔女の導きで、OZに向かうことになるのだが、この正しい魔女と緑の悪い魔女は実は友人関係にあった。
ともに学ぶことになった魔法の学校で、最初2人の仲は決してよくなかった。だが、あるきっかけを通じて2人は友人となる。ここに、名家の出の男性が登場。実は、後に三角関係になる。魔法の実力を認められた緑の魔女は、OZへ向かうことになり、正しい魔女もついていく。OZの魔法使いは、実は魔法が使えず、緑の魔女を利用しようと図り、ひと悶着ある。OZの未来のために、結局緑の魔女は悪名を残して消え、正しい魔女が「正しい」という名誉を受けて残ることになる。だが、大どんでん返し。緑の悪い魔女は生きていて、正しい魔女がぞっこんだった名家の男性と、こっそりOZを立ち去るのだった。

このミュージカルの基本ポリシーは、差別問題と「正義」にある。緑の顔で差別される姿は、アメリカに根強い差別を表しているようだ。一方、悪い魔女と正しい魔女という、表面的な「正義」への疑念が示されている。何が「正義」なのか。結局大どんでん返しで、ハッピーエンドなのは悪い魔女であったりする。

彼らは、こうしたWICKEDの深い理解の上で、さて25分と言う短い舞台のスパンで、何を表現するか議論になった。なかなかたいしたもんだ。このWICKEDをやろうとリーダーシップをとった女子生徒のN君も参加してくれて、喧々諤々の議論となった。結局、差別を乗り越えた「友情」を基本ポリシーとして、回想シーンを挿入しながら、オリジナル化していくということになった。その上で、いろいろなコンセプトも提示されたのだった。

で、とりあえず、演技構成案を組んでいけるところまで話が進んだのだった。終了後、シナリオ組の男子3人は、ニコニコしていた。「今日で一気に進んだ気がします。」

…うん。私もそう思う。後は、彼らに「遠心力」で接したい。

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