2022年6月18日土曜日

シリコン・サバンナ

https://productz.com/en
/nokia-1100/p/J4R4z
「アフリカ希望の大陸」には、様々な国家をあてにしない人々の動きが載っているのだが、私が最も感銘を受けたのは、IT関連の話だった。1999年、ケニアの電話会社サファリコムは、市場が2020年までに300万人規模になっているかもしれないと予測していた。だが、その予測より7年も前に1700万人を超えた。

ナイロビのキベラスラムで3人の幼い子どもを育てる女性は、著者に自慢げに「ノキア1100」を見せてくれた。その使いやすさと手に入りやすさから、「通信業界のAK-47(旧ソ連の自動小銃)」と呼ばれている。彼女のノキアは中古だが、十分機能し、協力なネットワークを彼女に提供している。

インターネット接続がこの大陸を変える可能性は大きい。ジェフリー・サックスが2005年に著した「貧困の終焉」(このアフリカ開発経済学の本は私も読んだ)は、インターネットが爆発的に普及する前で、「今なら全く違う本になっているだろう」と言っているらしい。このテクノロジーは、非常に負荷いい意味を持つ4つの特徴がある。民主的、市場を基盤にしている、革新的、そして開発に効果を発揮するという特徴である。「カンジュ」と組み合わせれば、医療や経済、小売流通などの問題に対して賢く無駄のない解決策をもたらしてくれる。これはまだ序の口と著者は確信している。

カメルーンの活気のない町、リンペに住む青年は、16歳の時にコンピュータのプログラミング技術を身に着けた。しかもコンピュータを持っていなかったにもかかわらずである。ノートPCもディスクトップPCも買えなかった彼は友人が持っていた高機能計算機(テキサス・インスツメンツT1-82 )を借りた。その御礼は数学の試験に合格できるようなソフトウェアの開発だったという。まだ高校生の時に、電子機器の遠隔操作で入れたり切ったり出来る簡単な携帯電話用のプロトコルを開発した。ほんの遊びだったという。2007年に、広告を集めて掲載するウェブサイトを立ち上げた。技術系の専門学校を卒業した彼がカメルーン最大の都市で住居を見つけられなかった。市場の空白に気づいた彼は、このウェブサイト「ケラワ」を立ち上げたのだが、今やアフリカ43カ国に加えインドの情報まで掲載している。カメルーンでの閲覧数の上位30位以内に入っている。援助や補助金がなくてもアフリカ人は新たな世界秩序のツールをつくり、購入する意思があるのである。

https://ampmedia.jp/2018/05/03/africa-startup-2/
こういったベンチャー企業がアフリカではどんどん生まれている。東アフリカの「シリコン・サバンナ」、南アの「シリコン・ケープ」といった投資とテクノロジーのハブ空間が生まれているのである。

…私はこういうIT産業に関しては全く無知なのでこれ以上の紹介はできない。だが、アフリカでこのような大変化が起きていることを嬉しく思っている。いつか地理の共通テストで、シリコン・サバンナが出題される日を夢見たい。

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