2022年3月29日火曜日

ウクライナ 戦争広告代理店

https://www.afpbb.com/articles/-/3396780
昔々、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の時、外相がアメリカに助けを求めに来た。アメリカの広告代理店がまず、きれいなスーツを脱がせ、いかにも侵略を受けている国の外相だというふうにイメージチェンジをしたという。その上で、TV番組で民族浄化というキーワードを使い、アメリカ人好みの悪玉と善玉という二元論的な構図を定着させた。これにより、セルビアはヒールとなり、敗北したとされる。これは、名著「戦争広告代理店」に書かれていた内容である。

今回のウクライナも見事にそれを行っている。ゼレンスキー大統領の服装は、常にスーツではない。焦げ茶色の地味なTシャツやジャンパーのような衣装で全世界に発信している。彼は元はコメディアンであったと言われる。まさに善玉を演じる絶妙なスタイルである。

アメリカではパールハーバーの話題を出して支援を訴え、フランスでは自由平等博愛の共有を訴え、ドイツではWWⅡの同国の罪を呼び戻し、ウクライナ支援によって再び恥じ入る必要がなくなるよう訴え、スタンディングオベーションを受けたらしい。

日本では、チェルノブイリとフクシマの共通の歴史に言及している。どこかにライターがいるのだろうが、これまた背後の戦争広告代理店の存在を彷彿とさせる。もし、そういう背後がなければまさに異能の政治家であり、うまくやっているな、と思うが、何か得体のしれない背後を感じたりするのは私だけだろうか。

ところで、WWⅡのきっかけとなったナチのポーランド侵攻は、そもそも元ドイツ領であったダンツィヒの帰属とポーランド回廊についての交渉がそもそもの始まりで、ポーランドは、英仏の軍事的バックアップを受けて強気に出た。まさか、ソ連からも侵攻されるとは思っても見なかったし、英仏はドイツと戦ったが、ポーランドの安全保障は反故にしたし、ソ連にも攻撃をしなかった。元ポーランド大使の言である。今回のウクライナ戦争と、なんか似ていないだろうか、というわけである。

…相変わらず双方のプロパガンダが報道されている。我々は冷静にこの戦争を見なければならなし、日本の現状をも考えながら思索する必要があると私は思う。

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