2022年3月27日日曜日

私家的世界史的現状分析

https://www3.nhk.or.jp/news/special/ukraine/
ウクライナ戦争は、意外にと行ったら失礼だが、ウクライナが頑張っているようだ。ロシアの短期戦で首都キエフを落とすという戦略は失敗に終わっている。西以外の北・東・南から包囲しているものの、制空権を握ることが未だできていないのが苦しい。

これまでの世界史の一般論から見れば、侵攻する側の補給路が絶たれると苦しい。しかも長期戦になれば経済制裁を受けているロシアはインフレのために一般人の生活が苦しくなり、厭戦気分が拡がるだろう。(だからプーチンは反戦・厭戦的世論を抑えにかかっているわけだ。)

これまでソ連時代を含めロシアが侵攻したのは、戦後で見るとハンガリー動乱・プラハの春・アフガン侵攻などである。ハンガリーもチェコもワルシャワ条約機構内での出来事であり比較的うまく行った。アフガンに関しては、ワルシャワ機構外であり、苦戦を強いられ、国力を疲弊させ撤退した。世界第二位の軍事大国という看板をもってしても、かなりの勝算がなければ成功しないわけだ。ウクライナはソ連崩壊後のCISでありながら、特に西部では民族主義が強い。

ウクライナの民族主義は、中世以来のロシアとの歴史的軋轢があって、かなり強い。アフガンでもムスリムの聖戦意識が強かったし、チェチェンとの内戦でも同様、士気の高さは戦争において意外に大きい。もしキエフが陥落したとしても、大統領もしくは側近が亡命政府をたて、ゲリラ戦が展開されるだろう。それくらい民族主義が強固だ。

日露戦争でも、第一次世界大戦でもロシアは、革命で戦争を停止した。第一次ロシア革命、ボルシェビキのロシア革命であるが、その基盤に民衆の生活困窮や政権への不満の鬱積があった。第一次世界対戦以後は総力戦となり、戦争は国力を疲弊させるというのは歴史的法則である。また軍内部で非戦意識が高まれば歴史は動く(キール軍港から始まったドイツ革命等)というのも歴史的法則である。今回も鍵を握っているのは、民衆と軍ではないかと私は思う。

ところで、民衆の不満が鍵を握っている、といえば中国共産党政府もそろそろ破局点を迎えるのではないか、と感じている。そういったニュースが中国語圏では流れている。経世済民を忘れた中国共産党は各地で暴動に近い反抗を受けている。(日本ではほとんど報じられていないが、かなり末期的症状である。)コロナ対策で、閉じ込められ餓死者が出たとか、失業者が増え、明日をもしれぬ国民がこのまま黙っていないのではないか。中国史は、政権(王朝)が天命によって滅ぶ時、こういった民衆の反乱が起こるという法則がある。(=易姓革命)だからこそ、法輪功は大弾圧されたのだと思われる。中国史的に見て、宗教組織は中国の政権では最も危険な存在である。思えば、大弾圧を受けているチベットの人々もウィグルの人々もそれぞれ宗教的な統一性がある。

…正直なところ、これからどうなるのか全くわからない。ただ、世界史的に見ると、独裁国家と言えど、民衆が鍵を握っていることだけは確かだ。

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