2017年1月24日火曜日

IBTの話(77) 百人一首

朝一番から、国費生のT大学希望者の面接指導をしていた。なんでもスカイプの面接があるらしい。さらに、1限目は、私費生のS大学の入寮についての書類を見て、いろいろと相談にのっていたのだった。
授業はなくとも、なんやかんやと忙しい。T大学の資料をプリントアウトして、休み時間に教室に持っていったら、日本語の授業で百人一首をやるのだという。おお。なかなか面白そうだ。

S先生も是非と言うので参加した。と、いっても、私は読み手に徹することにした。いくら国費生文系が日本語が上手くなったといっても、やはり百人一首の読み手をやるのは大変だろうという判断だ。かくいう私も初めてだが…。(笑)前々任校には、かるた部があって、しかも近畿大会出場の常連校だったこともあって、百人一首と無縁だったわけではない。やってみると意外に、なんとかそれらしく読めたのであった。

最初は男子チームである。マレー系の学生は、男女の体や手が触れ合う事がタブーであるので、こういう場合、どうしてもこんな構成にならざるを得ない。この辺が日本とは違うところだ。意外にみんな私の読む歌を集中して聞き、札をとっていく。やはり札をとれると嬉しいものだ。彼らの日本語の聞き取り能力は、百人一首をやれるまでに進歩したということなのだろう。少しずつ歌の解説も入れながら楽しんだのだった。その後、女子の3チームが次々と入れ替わって、ずっと読み手をやっていた。途中、S先生がミネラルウォーターをそっと持ってきてくれて助かったのだった。(笑)

昼からは卒業式のリハーサルであった。国費生は、文系理系とも寮住まい。まさに”同じ釜の飯を食った”仲間なので、団結力もかなりのものだ。スムーズに進んだと思う。彼らとの日々も、いよいよ明日が最後かと思うと、やはり寂しいものだ。

天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめん。(第12句:僧正遍昭)

今の気持ちを百人一首から無理やり選ぶとすれば、この句になるかな。ただし、「乙女」という語のシニフェには、男子生徒も入ってくるのだけれど…。(笑)

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