2017年1月11日水曜日

日本大使館のインテリジェンス

在マレーシア日本大使公邸 http://www.satokogyo.co.jp/works/detail.php?id=101&parent_id=1&category_id=4
昨夜、日本大使館での新年会に妻とともに出席した。在外大使館は、もちろんその国との外交の拠点であるが、情報を収集・分析という任務もある。今読んでいる「国家と対峙するイスラーム」の著者もマレーシアの日本大使館の専門調査員として在籍していたそうである。私は、こういう情報の収集・分析は極めて重要な仕事だと思う。

ところで、週刊ダイヤモンドのWEBで、元韓国大使の武藤正敏氏の記事を読んだ。「慰安婦像を巡る韓国の市民活動は民主主義を逸脱している」というタイトルである。この記事を要約すると、およそ次のようになるかと思う。

今回の在韓日本大使・総領事の帰国(ならびにスワップ協議の停止など)の措置は、一昨年12月の慰安婦問題合意について、見直し論には応じないという日本政府の強い抗議の姿勢を示したものである。長い目で見た場合、日韓関係を正しい方向に導くものである。なぜなら先の合意で、(領事関係に関するウィーン条約22条に反するので)大使館前の像を撤去するよう努力することで合意しているからである。しかも日本が、(像の撤去への努力を信じて、それ以前に)10億円を拠出した「和解・癒し財団」は問題解決に努力していたのだが、この信頼関係は、市民団体の暴挙によって崩されてしまった。

この問題を複雑化しているのは、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)である。「和解・癒し財団」によると、昨年12月23日、マスコミに現在の生存者39人(合意時点では46人)で34人が支援金を受け取る意志を表明し、その中には挺対協と行動を共にする「ナヌムの家」の支援を受ける5人が含まれていることも明らかにした。すなわち多くの元慰安婦はこの合意を受け入れており、挺対協とともに批判をしているのは、ごく一部の少数派である。挺対協は、アジア女性基金が設立されたときに解決を妨害し、その償い金を受け取った7人に様々な嫌がらせを行い、日本の償い金を拒否し、韓国政府に見舞金を提供させながら、しかもそれを渡さなかった。到底、慰安婦の支援団体というより政治活動家としての性格が強い。アジア女性基金は、これら挺対協の嫌がらせの後、54人に償い金を渡したが、(挺対協の同様の嫌がらせの再発を防ぐ目的で)事実を公表しなかった。

(大使帰国の決定後、)野党の政治家が、挺対協と迎合して大衆をあおっている。その中心は「共に民主党」である。そもそも韓国の市民運動家の行動は行き過ぎている。(大統領弾劾要求のように)力ずくで何でもできると考えるようになったら非常に危険である。韓国の一部の政治活動家に支配された現状を打破する必要があるし、理性的な対処を求めたい。
http://diamond.jp/articles/-/113740?page=4

…私は、この慰安婦問題については、慎重な立場を取るべきだと思っている。ナショナリストの論客のように、嫌韓的感情をあおったり、この問題自体を否定的には見ていない。なぜなら、学校現場の人権教育では、いじめは、いじめた側ではなく、いじめられた側につくのが原則だからである。本多勝一的に言えば「いじめられた側の論理」に、耳をかすことが身にしみているのである。
…その一方で、日本は、過去を水に流すことが美学であると信じているところがある。戦後70年たっても、韓国や中国が戦争中の日本軍による被害や歴史認識の問題を持ち出すことに嫌悪感を抱くのは、そういう日本的信条のなせる業であると思っている。とはいえ、「反日無罪」的な行動が、国内政治から目をそらす手段として繰り返されてきたことも事実だと思う。社会科学においては、必ずしも正義は1つではないし、様々な角度から考えるべきである。

…だが、これは元韓国大使の記名記事である。かなり信用度の高い情報だと思われる。韓国でも、POST TRUTH(真実が重要ではない)の波が押し寄せているように感じるのは私だけだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿