2013年9月17日火曜日

NHK 川原尚行氏の仕事の流儀

NHK HPより
昨晩、NHKのプロフェッショナル仕事の流儀を見た。NGO代表の医師・川原尚行氏の「アフリカの大地 志で駆ける」である。舞台はスーダン。そもそも在スーダンの大使館の医官だった川原氏は、現地での医療活動を志して大使館を辞職し、NGOを立ち上げ医療活動に励んでいる。高校時代はラグビーのキャプテン、二浪して医学部に入ったという情熱の人である。

理屈よりまず行動。その行動力が凄い。無医村をどんどん回って行く。スーダンはイスラムの国である。現地の登場人物名を見ればよくわかる。私の読んだところでは、スーダンの人々は、もてなしの心が深い。川原氏のパートナーとして活躍したムスタファという青年の話が出てくる。川原氏は、彼にそのもてなしの心を教わったという。その彼が5年前に交通事故で他界していた。彼の墓は村の傍らの乾燥した地に石ひとつ。彼を思い涙する川原氏の姿に私は大いに感動した。

川原氏は、スーダンの人々の深くに飛び込んでいく。共にメシを食い、共に踊り、共に泣く。理屈じゃない。よくわからないことも多い。でもまず行動する。そういう人だ。

川原氏は昔、日本のある自治体から医療品を支援され、スーダンに運び入れた。しかしそれらは、スーダンでは認められたものではなく全て焼却しなければならなかったという経験をしている。その時、くやしい思いと共にどこか、支援という上からの視点でスーダンの医療活動を見ていた自分に気づいたという。支援ではなく、共にあるべきだと思いをあらたにしたのだと言う。

ふと私は宮沢賢治の有名な詩を思い出した。雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ 慾ハナク 決シテ瞋ラズ イツモジヅカニワラッテヰル 一日二玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲ食べ アラユルコトヲジブンヲカンジョウニイレズ 野原ノ松ノ林ノ蔭ノ 小サナ茅ブキノ小屋ニヰテ 東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ 西ニツカレタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ 南ニ死ニソウナ人アレバ 行ッテコハガラナクテモイイトイヒ 北にケンクヮヤソショウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ…

まさに、川原氏はこの詩の如く、自分の慾を捨て、乾燥した大地を、スーダンの人々のために医療以外の事(看護師育成のため女子教育の学校を作るとか、衛生面で環境提言するとか…)にも、全力で東奔西走していた。感動的な番組だった。こういう地球市民の医師が、日本人にいることに誇りすら感じる次第である。川原氏のますますのご健勝を心から祈りたい。

http://www.nhk.or.jp/professional/2013/0916/index.html

3 件のコメント:

  1. 川原さんは個人的によく存じ上げています。
    「川原」さんです、念のため。

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  2. 根本さん、コメントありがとうございます。さっそく訂正いたしました。ご指摘ありがとうございます。疲れていたのでしょうか、申し訳ありませんでした。

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    1. 素早い変更ありがとうございます。
      川原さんとは家族づきあいだったので、少し気になりました。
      川原さんはナイスガイですが、夫人も魅力的な方でした。
      最近の

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