2013年9月4日水曜日

日本人に贈る聖書物語Ⅶ・Ⅷ

世界史Bで、フランク王国の話をしている。西ローマ帝国がゲルマン民族の大移動以後、まるで日本の室町幕府のように消えていくのだが、その後ローマ人はキリスト教を基盤に、ゲルマンの中にローマ文化を融合していくわけだ。その中核となるフランク王国がそれまでのアリウス派を捨てて、アタナシウス派に改宗したことが大きい。

このアリウス派は、イエスを神の被造物としている。アタナシウス派は、神とイエスと聖霊を同位とする三位一体をその教義の根本にしているのだが、この辺、ブディストである私にはなかなか理解しがたい。先日読み終えた「日本人に贈る聖書ものがたりⅦ・Ⅷ」で少しだけ理解できたような気がする。

なかでも理解しがたいのが「聖霊」という概念だ。イエスが様々な奇跡を起こしたのは、神と同位だから出来たとも言えるし、聖霊が奇跡を起こしたともいえる。聖霊が降りたとして有名なものは、ペンテコステと呼ばれるペテロの説教の時に起こった異言である。会衆が、当然しゃべれるわけがない様々な言語で語り出したという話だ。パウロも同様の会衆の異言を体験している。生徒への説明ではかなり有効だと思う。

日本人に贈る聖書物語では、ユダヤ人が何故異邦人のキリスト教徒の迫害を受けることになったのかについても、きちんと説明している。ユダヤ人のキリスト教徒は、他の地域に住むユダヤ人や異邦人に対してかなり寛容だったが、異邦人のキリスト教徒はユダヤ教徒に不寛容だったというのが結論である。なるほどと、膝をうつ場面が数多くあった。

いずれにせよ、8巻にもおよぶこの本、なかなかのお勧めである。

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