2012年6月21日木曜日

世界史Bはフランス革命に突入

世界史Bの方は、期末考査直前だがアメリカ独立革命からフランス革命に突入している。今回の期末試験のテーマは、近代国家論と市民革命といったところだ。民主主義を欧米の人々が獲得していく過程はなかなか興味深い。

ここで見逃せないのは、カトリックとプロテスタントの宗教戦争をいかに各国が早く乗り越えたかという歴史的側面だ。カルヴァン派の自立が早いほど、開発経済学的に言えば『飛翔』が早い。近世にカトリックの雄だったスペインとの独立戦争に勝ったオランダ。英国教会を成立させ、さらにピューリタンが革命を起こし、一時政権を握ったイングランド。フランスはユグノー戦争で一応の決着を見せるが、ブルボン朝で反動が起こり、大量のユグノーがオランダに流失してしまう。ドイツに至っては、三十年戦争で疲弊し、ルター派はともかくカルヴァン派は自立したとはいえない。まあ経済構造が低価格の農業生産に依存していたわけで、ユンカー(地主貴族)の支配と領邦国家による分裂が続く。こういう歴史的な後進性が、後のWWⅠ、WWⅡへと進むわけだ。近代ヨーロッパ史は実に面白い。

イングランドが、オランダを追いこせたのは、国力の他に、モルッカから追われインドで綿製品に出会ったという幸運も大きい。綿織物工業でリードできたわけだ。これが、アメリカ南部の綿花プランテーションと結びつき、奴隷貿易をからめた三角貿易に発展し、資本の蓄積、工業の発達と進む。もちろん、倫理の教師としては、ベーコンを祖とするイギリスの経験主義的な科学技術への貪欲な精神や功利主義的な発想も重視したいのだが、そこまでは期末考査までには語りきれない。(これは試験後のお楽しみ。)

一方で、イングランドを追う絶対主義のフランスは、第二次英仏百年戦争で軍事費がかさみ、フランス革命へと導かれていく。その二次的な産物が、七年戦争から波及したフレンチ=インディアン戦争で、その戦費調達に怒ったアメリカ植民地が独立戦争を起こすわけだ。ここでも、カルヴァン的で個人意識の強いマサチューセッツでの偶発的な衝突が独立戦争に13州を引きずり込むことになっている。

やはり、一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)理解が深くないと、世界史はわかりにくい。と、倫理が専門の私などは思うのである。

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