2012年6月12日火曜日

1万頭のモスラsを見る

本校の生物の先生でH先生という方がいる。大学時代からの専門は養蚕であるそうで、明治の殖産興業の話で盛り上がったことがある。以来、実際に理科の準備室でカイコを育ているということを知っていた。是非一度見たいと思っていたのだが、私はどうも幼虫系は苦手でついつい敬遠していた。

放課後、世界史の期末考査をつくっていたら、H先生が職員室に戻ってきて「今からカイコの餌をつくりにいくんですよ。」と言う。カイコの餌と言えば、桑である。どんなものなのか興味があったので、意を決して愛機G12を手に、共に準備室に行くことにしたのだった。

どういう感じで飼育しているのかと思ったら、プレートにウシャウシャいた。カイコが這いまわっている土のように見えるのが餌である。フンは黒い粒子のようなものである。比較的小さいのから丸々太ったものまで、かなりの数である。「どれくらい飼ってるの?」と聞くと、「1万頭くらいですかね。」「1万匹ちゃうの?」「カイコは、家畜あつかいなので『頭』と言います。」へー。知らなかった。カイコが繭をつくれるくらいの大きさになると、「アパート」と読んでいるボール紙で作った棚に入れるそうで、今は1頭が繭を作り始めていた。たくさんの昨年出来た繭も見せてもらった。

いよいよ、1週間に1度つくるという餌である。作り方はシンプルで、餌となる抹茶のように思える粉末(名前が凄い。「シルクメイト2M」。桑の成分が入ってるので抹茶みたいな色をしているとのこと。)を大きなタライに入れて、蒸留水で捏ねて、その後、これを蒸すらしい。先日、当番で校内を回っていたら、凄い臭いがしていた。蒸すと臭くなるらしい。

いやあ、勉強になった。生物学って大変だ。こういう研究を地道にしている先生が傍にいるって素敵だなと思うのだ。

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