2012年4月18日水曜日

BRICSの世銀と世銀総裁選

世銀総裁候補 オコンジョイウェアラ
毎日新聞の「水説」に『BRICS銀行』という潮田道夫専門編集委員のコラムが載っていた。BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南ア)の5カ国が自分たちだけで国際金融機関を作ろうとしているという話だ。世界銀行・BRICS版と言っていい。

ちょうど、世銀(世界銀行)の総裁選挙が行われたばかり。世銀は、先日韓国系アメリカ人のキム氏を新総裁に選んだばかりである。ダートマス大学の学長でWHOの局長としてアフリカのエイズ問題に取り組んだ実績をもっている人物だ。そもそも世銀の総裁はアメリカ人と決まっていて、選挙が行われたことはなかった。ところが今回はナイジェリア財務相のオコンジョイウェアラ氏らが出馬、途上国が、先進国主導の世銀運営に異を唱えたわけだ。で、アメリカはウォール街からでなく、アジア系で、しかも国際協力の実績をもつキム氏で融和を図ったように見える。

水説コラムによると、BRICSの方は、そう簡単にうまくいきそうにないらしい。BRICSの中でも中国の資金力が圧倒的で、インドなどは仲間に対して警戒感を露わにしているという。(今でも中国は世銀なみにアフリカに資金をばらまいている。)まあ、BRICSも一枚岩ではないわけだ。

この世銀総裁選とBIRICSの動きで、言えることは、アメリカの威信の低下というか、コラムの表現を借りれば『米国の覇権の終わりの始まり』ということになるだろう。さらにコラムでは、『BRICSが試みているのは、次の金融大崩壊を生き残るための具体策作り』だという視点である。ここでも、日本の政治家の戦略の無さ、スケールの小ささを指摘している。…なるほどと、唸るしかないのが悲しい。

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