2012年4月1日日曜日

タンザニアの革命児 島岡氏2

先ほどエントリーした番組は、エイプリルフールにふさわしい番組だった。1つ目のウソは、TV番組欄の品のない宣伝文句にふさわしくない真面目な内容だったこと。2つ目のウソは、番組表は④としてあるのに、島岡氏の内容は最後だったこと…である。

島岡氏の漁業、重機運送業、貿易業、ティンガティンガなどの実業面から雇用を生もうとする地道な戦いが、彼のパーソナリティーを伝えながらなかなかうまく描かれていた。もちろん、柔道の話も出てきた。島岡氏が、今何故、こういう番組で紹介されることを是としたのか。彼が最後に行っていたコトバにあるように思う。「島岡強が死んだとしても、『志』は生き続ける。」日本の若者へのメッセージだったのではないか。

カメルーンでバカ(ピグミー)の人々を見守るシスターや、カンボジアでHIVの手助けをしている女性やタイで読書の喜びを伝えようとしているICU(国際教養大学)出身の全盲の女性など、様々な異国での戦いを見て、彼女たちも同様の『志』を日本の若者に伝えたいという想いを感じた次第。

ただ残念だったのは、CMの多さである。特に明日の大家族の番組の宣伝で、何度も見せられ、そいて聞かされた「こども、こども、こども~こどもが増えると…食費がかかるよ~。」という魚の歌を替え唄を歌う母親のCMなど、この番組の内容を全く台無しにする興ざめたものだった。TV東京の関係者には、その点を伝えたい。こういう真面目な番組には、それなりのCMを設定すべきだと思う。少なくとも番宣なら融通がきくはずだ。(怒)

さて、今日の毎日新聞第二面の『時代の風』に、西水美恵子元世銀副総裁のコラムが載っていた。女史は「マンドの軌跡に思う」と題して、パキスタン南西のマンド村にある小学校から高校までの一貫校である女学院の話を書いている。女子教育などもってのほかだった地域で長老が尽力して造られた学校である。「良母は千の教師に勝る」それが村の男衆を説得したコトバだった。またこの長老は西水女史に、「1人の男の子に授ける教育は、1人の人間を教育する。1人の女の子に授ける教育は未来の世代をも教育する。」という南アジアの諺を諳んじたという。…おそらくイスラームの諺ではないかと私は思う。勉学に励む娘たちは、兄弟の学習意欲を挑発するどころか、非識字を恥じる父母にも読み書きを教えた。村の識字率はあっという間に上昇し、衛生状態や栄養不良の改善を伴い、労働生産性の向上に直結したという。教育格差の改善は経済格差を打ち負かしたのだ。

今回の番組も、日本女性のタフさ、凄さを実感させるものだった。ところで、最後に島岡氏の話にもどりたい。父親の教えの話も番組では出てきたが、彼の父親が日本人としてはめずらしいムスリム(イスラーム教徒)であること、もちろん彼がムスリムであることは伝えていなかった。前のエントリーで書いた島岡氏の人格の秘密というのは、このことである。彼が番組中、ずっとムスリム的なターバンや帽子を被っていたことは、そういう意味合いも含まれていると思う。

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