2012年1月22日日曜日

東洋経済 自衛隊のコスト

週刊東洋経済1/21号の話を書くのを忘れていた。特集は「自衛隊のコスト」である。私は、ヒコーキ大好き人間なので、軍事オタクとまではいかないが、そこそこ知っているつもりだ。しかし最新の装備価格を知っておくのも、教材研究として悪くない。代表的な装備でいうと、陸自や海自のヘリコプターで50~60億円。空自の次期主力戦闘機のF35Aが、98.75億円。C2輸送機(国産)が164.5億円。海自のDDH(ヘリコプター搭載型護衛艦)が、1155億円。SS(攻撃型潜水艦)が547億円。陸自の10式戦車(国産)が10億円。ただし、防衛関係費4兆6453億円のうち、45%の2兆0701億円が人件費と糧食費である。しかも、これらの装備は、購入を決めてから数年にわたって支払うしくみもあったりする。(この辺はかなりややこしい。)

ところで、自衛隊の装備は、基本的に戦闘機(F1やF2のように国産もあったけれど)以外は、国産である。様々な企業が、この防衛産業に関わっている。だいぶ前、某電気会社の開発部に勤めている友人とこんな話をしたことがある。私が「何を開発してたの?」と聞くと、「超長周波やねん。」「ふーん。ホーミング魚雷やね。」と私が言ったら、「シーッ」(笑)なんか、防衛産業に関わると言うのはあかんことのような雰囲気が今でもある。とはいえ、需要は防衛省のとってくる予算しかなく、しかも誰かが供給しなければならないわけである。企業としても、計算可能な硬い受注であると共に、それ以上増産できないという痛みもある。だから、価格は低くならないわけだ。

他国から購入するという手もある。(かなり戦車など安くなる。)しかし防衛技術は国産化すること自体が安全保障という考え方もあり、結局、国民としては、高い買い物を必要悪として受け入れなければならないという構造があるのだ。国も企業も、そういう互いの痛みを克服する手段として、武器輸出三原則の緩和という話になっていく。海外に重要が拡大すれば、価格は低くなり、両者ともWin-Winというわけだ。これに関しては賛否両論。私はふれないでおきたい。

案外、面白かったのが、「地元への影響度は?自衛隊の経済効果」という記事だった。福岡の筑城市(空自の基地がある。)と、春日市(滑走路のない空自基地、陸自の駐屯地、自衛隊病院がある)を比較しながら、騒音問題と騒音助成の話や、交付金、地元への経済効果などがレポートされている。自衛隊基地のある町は、空気のような存在として受け止めているというのが結論だった。

先日、TVのクイズ番組で、全国の都道府県で自衛隊の基地がない県は?という出題があった。正解は、奈良県だそうだ。なるほど。奈良では、先日の震災や、台風被害を受けて、自衛隊の基地創設を要請しているとか。…私は、あまりに自衛隊が月見草的存在なので、擁護的な立場をとっている。自衛隊が最近見直されて、ちょっぴり喜んでいる。…しかし、それにしても、私の若いころとは、すこぶる時代が変わったなあと思うのだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿