2012年1月4日水曜日

ウガンダの「頷き病」とホッブズ

頷き病の発症地
先ほど、世界史Bの補習を終えて帰宅した。最寄駅につくと、凄い雪である。明日は積もらなければいいのだが、非常に心配である。今日の職員室は、出勤者も少なく、ガスストーブがついているからとエアコンなしで室温14℃。窓際の私の席は足元が無茶苦茶寒い。おまけに喫煙で公園にいくと強風が吹いてすこぶる寒い。補習前に完全に風邪をひいた。ちなみに”私の風邪は鼻から”である。グシュグシュいいながら、たった一人の受講者相手に中世ヨーロッパとはいかなるものか。ホッブズの「万人の万人に対する戦い」をキーワードに、経済学史(土地経済)と森の風土と農業生産性、キリスト教的契約的概念をミックスしながら、講義した。カノッサの屈辱までいったので、明日は十字軍をやる予定。これもまた、地理と倫理をベースに、経済学的に大局を語ることになると思う。

さて昨夜、「大阪の雪」などよりに、はるかに心配なWEBニュースを発見した。ウガンダ北部から南スーダンにかけて不思議な子どもの病気(おそらく風土病のようである)が発生しているとのニュースである。食事をすると激しく頷きだすという症状がでるので、「頷き病」と名付けられているらしい。発作は、子供が食べるのをやめるか、寒さを感じなくなると収まるらしく、また未知の食品を食べたとしても発作は生じないという奇病で、寄生虫によるてんかんの一種と推測されているのだが、すでに1000人以上の症例と66人の死亡が確認されているという。また知的障害に陥ることもあるらしい。すでにこの病気に対して研究が始まっているらしいが、一刻も早い解明を切望するところである。
http://www.gizmodo.jp/2012/01/what-is-the-mysterious-nodding-disease-spreading-across-uganda.html

考えてみると、今日補習で話した「万人の万人に対する戦い」というホッブズのアフォリズムは、長らく人類史の中で普遍的な意味合いを持っていたように思う。強弱にかかわらず自己の生存を保障されるという今ではあたりまえのことにたどり着いたのは、この100年くらいのことである。

アフリカでは今なお、上記のような保健・衛生的、経済的・政治的に不条理なホッブズのアフォリズムが存在するところがある。アフリカの持続可能な開発を考え、人間の安全保障政策を進めるというのは、こういう闇に立ち向かうことなのである。

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