2012年1月3日火曜日

ニジェールのモバイルの可能性

ニジェールという国は、我がブログの読者で文化人類学者でもある荒熊さんが、昨年足を運ばれた国である。HDI(人間開発指数)が最も低い(2009年度182位/182カ国)文字どおりの最貧国である。国土の大部分が砂漠で、ウランが産出するも、農業生産は南西部のニジェール川の近くでしか出来ないし常に気候変動に悩まされている。
そのニジェールのサッカー代表チームをアフリカ・ネーションズカップに派遣するため苦労しているというニュースが入った。

アフリカでは、サッカーは最高に人気のあるスポーツだ。ニジェールの隣国ブルキナでは、露天の服屋さんにはブルキナのナショナルチームのユニフォームが最も目立つ所に置いていたりする。大人気だ。(私も持っている。)ニジェールでもおそらくそうだろうと推測する。サッカー万歳。
ところが出場権を得ても肝心の派遣資金がないらしい。今年は、21日から、ガボンと赤道ギニアで行われるらしいのだが…。干ばつによる食料危機に悩む政府がギブアップしたので、サッカー協会は、300万ユーロの寄付を呼び掛けている。これに、答えたのが、地元の電話会社。大会終了までの携帯電話の通話に0.0015ユーロ(日本円になおすと15銭)の臨時税を取ると発表したらしい。

ニジェールのような人間の安全保障が最も必要な国で、寄付を募ろうとすれば、なるほど最も有効な方法だと私も思う。人口統計さえままならないガバナンス状況の中でも、携帯電話はそれなりに普及しているはずだ。携帯電話を使う層は、若い人が多いだろうし、サッカー協会への寄付を厭わないだろうと思う。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/10_databook/pdfs/05-34.pdf

アフリカの携帯電話のもつ潜在能力、こういう使い方もあったのか、とあらためて驚いた次第。チュニジア、モロッコ、ガボンと強豪のC組で戦うみたいだが、頑張れ!ニジェールのナショナルチーム。

追記:tito_1227さん、読者登録ありがとうございます。31人目、ついに掛布(元阪神)の背番号になりました。これからもよろしくお願いします。

2 件のコメント:

  1. tsujiさん、あけましておめでとうございます。
    新年から面白い話題ですね~。アフリカ各国、携帯電話会社はものすごい削りあいをしていますね。ブルキナファソなどももし3年行かなければ、1社は確実にオーナー会社が変わってしまうと思います。ニジェールも同じ状況にあると思います。
    夢も何もない話ですが、アフリカ・カップに出資した、ということが大きな宣伝効果を呼ぶものであることを意識したものであることは間違いありません。なんせ、仕事を中断してでも見てしまいます。その間、街は「し~ん…」。ゴールが決まると街中で「うぉぉぉぉー!」ですから。そんな中で「xx社の出資により…」なんて流れたら、キャリアを乗り換えてしまう人もいるかもしれませんね。

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  2. 荒熊さん、コメントありがとうございます。今年もよろしくお願いいたします。震災後特に強く感じましたが、スポーツの与える勇気と言うか感動と言うか、ものすごく大きいですよね。特にアフリカでは、サッカーのナショナルチームの影響は大きい。頑張って欲しいですよね。

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