2011年3月1日火曜日

スワジランドで「デモ」呼びかけ

 中東のフェイスブックを使った民主化の波動が、ついにサブ=サハラ・アフリカにも飛び火した。
 産経のWEBニュースで昨日知ったのだが、スワジランド王国が、その舞台である。
 「フランス公共ラジオは26日、アフリカ南部の王国スワジランドで、王制打倒を求めるデモの呼び掛けがインターネットの交流サイト「フェイスブック」を通じて行われていると伝えた。中東で激しさを増す反政府デモの動きがアフリカにも波及し始めた形だ。
呼び掛けの主体は地元の民主化グループで、同国で政党活動が禁止された1973年4月12日にちなみ、4月12日に国内各地でデモを行う考えという。スワジランドでは、国王ムスワティ3世による絶対王制が敷かれ、国王一族がぜいたくな暮らしを送る一方、国民の多くは貧困に苦しんでいる。」(共同)2011.2.27 00:58

 スワジランドは、アフリカでもかなり特殊な国だ。まず王国であること。サブ=サハラ・アフリカでは非常に珍しい。(首長国といった方が妥当かもしれない。)南アとの結びつきが強く、アパルトヘイトの隠れ蓑的存在で、工業がある程度盛んである。したがって1人あたりのGDPは高いのだが、国王一族以外は、極めて貧困にさらされていることは事実で、HIVエイズの罹患率は、アフリカでもかなり高い。
 外務省のODA関連のスワジランドの項をよく読むと、日本はこの国王をかなりかっているように見える。「(国王が)現実的かつ穏健な外交政策を取っている。また近年では、2008 年8 月以降、SADC 平和・安全保障組織の議長国としてジンバブエ、マダガスカル問題等の調停に携わり、地域の安定への貢献に努力している。」かららしいが、経済的な結び付きも弱く、そんなにODAで協力しているわけではない。(外務省も微妙な言い回しをしている。)

 このスワジランド、生徒に調べさせてみると、毎年「王制をやめ、民主化し、国王一族の無駄使いを、開発に向けるべきだ。」という結論が出てくる。フツーに考えればそうなるだろう。私も同感である。「アフリカのニュースと解説」のMiyaさんも、さすがに個人や国を批判しないというポリシーでブログをつくられているようだが、ここは、ノルウェイの肩をもって書いておられる。(2010年10月2日付)
http://let-us-know-africa.blogspot.com/search/label/%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%82%B8%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89
 というわけで、民主化の波動がスワジランドに飛び火したことを私自身は注意深く見守りたいところである。ウガンダの大統領選挙後は、どうなったのだろうか。それも気になるところである。 

2 件のコメント:

  1. 私の記事を紹介して頂きありがとうございます。(スワジランドを批判する前に批判する対象があるので、難しいです。)
    スワジランドの御用新聞と外国メディアが伝えないこと情報を発信しているブログがあります。生徒さんがリサーチする際に役立つと思いますので、紹介します。

    ブログの紹介記事 http://allafrica.com/stories/201102040793.html
    Swazi Media Commentary by Dr.Richard Rooney
    ブログ http://swazimedia.blogspot.com/
    Twitter http://twitter.com/SwaziMedia

    なお、政府は、軍用ヘリや機関銃を調達しようとしているそうです。(2/27の記事)

    返信削除
  2. Miyaさん、コメントありがとうございます。昨日、このブログを書いた後に、PCが完全停止しました。パソコン工房に持ち込んで相談したところ、なんとか復旧しましたが、データがみんなぶっとびました。あちゃー。「破壊は一瞬、建設は死闘」です。なんか、チュニジアやエジプト、それにリビアにもあてはまるような気がします。

    返信削除