2011年2月18日金曜日

ウガンダの大統領選に思う

 ウガンダの大統領選が始まった。WEBのニュースでは次のように伝えられている。 【アディスアベバ共同】東アフリカのウガンダで18日、大統領選が行われた。25年間にわたり大統領の座を保持してきたヨウェリ・ムセベニ氏(66)が4選に向け優位に立っているが、今回が同氏への3度目の挑戦となる野党候補の元内相キザ・ベシジェ氏(54)との接戦も予想されている。
 ベシジェ氏は過去の大統領選での不正を批判し、今回、公平な選挙が実施されなければエジプトのような大規模な抗議行動に出る構え。ムセベニ氏は治安部隊の出動を警告しており、混乱発生も懸念されている。20日にも大勢判明の見通し。ロイター通信によると、ウガンダ当局は携帯電話会社に対し「エジプト」や「チュニジア」「独裁者」などの文字が入ったメッセージの送信を阻止するよう命令した。
 ウガンダは独立後、クーデターが相次いだが、ゲリラ闘争を率いたムセベニ氏が1986年に大統領に就任後、内乱が収拾、政情が安定した。
 同氏は欧米諸国と関係を強化し、順調な経済発展も実現。一方、2005年の憲法改正で大統領の任期制限を撤廃するなど独裁色を強め、汚職体質への批判も出ている。2011/02/18 16:29 【共同通信】
 
 ここ1~2年のアフリカの大統領選をめぐる環境は大きく変化したように私は思う。まず、ポールコリアーの「民主主義がアフリカ経済を殺す」的なレントを権力者が私用し、形式的に民主主義の土俵で自らの権力保持をはかっていることへの世界的な批判が顕著になったこと。特にEUを始めとした先進諸国は、ガバナンスの透明性を求め、グッドガバナンスへの転換を求めていること。(但し、人権問題等で欧米的価値観の押しつけも見られるが…。)もうひとつは、チュニジア・エジプトといった中東での独裁批判が最高潮に高まっていることである。

 外務省のODAホームページでは、ウガンダのムセベニ政権をかなりかっていることがわかる。確かに、ケニア・タンザニアと比べてウガンダは経済成長率も高く、北部の一部を除いて治安も良くなってきている。http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/kuni/09_databook/pdfs/05-02.pdf
 
 しかし、まだまだ満足できるガバナンスの状態ではないことは確かだ。他のWEBニュースでは、石油の新たなレントが生まれるようで、その対応の不透明さが強調されていた。いくら情報を制限しようとも、個人として発言し、行動する「市民」が、少なくとも北アフリカに生まれた。そのうねりが、東アフリカにも波及するのだろうか。

 長期政権は腐敗の可能性が高まる。改革も必要だろうと思う。だが、どこかの国のように、思慮の浅い「抑止力は方便だった。」とか「(外交という分別をもたず、ロシアに対して大統領の北方領土への視察は)暴挙だ。」とかいうような”政府”が生まれたら、それもまた、不幸である。

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