2011年2月7日月曜日

アフリカン・モバイルの話

昨日のワンフェスでルワンダの研修員さんと
語りあう私の後ろ姿 U先生撮影
昔々、DoDoWorldという道祖神(アフリカ専門の旅行会社)の雑誌に、「アフリカン・モバイル」について特集が組まれたことがある。R大の高校生懸賞論文で二匹目のドジョウを狙ってこの記事を元に生徒に論文を書かせたことがある。まだまだ”アフリカン・モバイルの可能性”が語られ始めた頃のことだ。以来幾星相。アフリカン・モバイルは、凄い勢いで拡大している。今日は、地理Aで1年生にそんな話をしていたのだった。

 アフリカでは、携帯はかなり安い。以下は、宮下洋子氏の世界のモバイル事情 アフリカ編(2)からの引用である。http://wirelesswire.jp/Global_Trendline/201101272030.html
 『ULCH(Ultra Low Cost Handset)は文字通り超低価格の端末である。徹底的にコストを抑えることを念頭に開発されており、端末自体の価格も2,000〜5,000円程度と低い。日本で販売される端末は通常5、6万円程度であることを考えると、まさに20倍の開きがある。ULCHは端末価格を最大限に抑えるため、音声通話やSMS機能に特化させ、カメラはなし、ディスプレイもモノクロ、インターネット機能はなく、せいぜいついていてもFMラジオ程度となる。その一方で、新興市場における人々の生活に密着させる工夫も見逃せない。一般的に電気設備が充実していないことから端末が充電しにくい環境を考慮し、電池の長寿命化を図っており、待受けだけなら1カ月充電しなくても使える。農業など屋外での仕事に従事する人々も多いことから、耐水性や耐衝撃性を強化したものも多い。(フィンランドの)「Nokia 1202」はもっとも販売台数の多い端末の一つである。ナイジェリアでの販売価格は3,700ナイラ(NGN)、円換算すると約2,000円となる。(1ナイラ=0.54円)エントリー/ローエンド向けの製品で、初心者でも操作しやすいこと、端末を低価格に押さえることに注力している。カメラやインターネット機能はなく、ディスプレイもモノクロ。もっぱら音声通話やショートメッセージ機能に特化している。端末は80グラムと小型で手にすっぽりと入る大きさだ。その一方で、市場の特性に注目し先進市場ではあまり一般的でない機能も見られる。電気のない所で懐中電灯の役割を果たす「フラッシュライト機能」を搭載、耐水性、耐衝撃性を強化し、通話や待ち受け時間を延ばすため、電池の超寿命化を図っており、待ちうけ時間は860(約36日)時間と長い。アフリカ各地に展開するボーダフォンは2010年2月、新興市場向けの携帯電話「Vodafone 150」を発表した。この端末は、端末販売奨励金なしの価格で15ドルと抑えた。』
 『これまで主要携帯電話メーカーの寡占状態であったアフリカ市場にも、変化が見られるようになってきた。ローエンド市場では、中国系メーカーによる低価格な製品が市場を席巻する勢いを見せている。さらに「山寨機(さんさいき)」と呼ばれるノンブランドの携帯電話がアフリカにも流入してきた。低価格な端末が流入した場合はとびつくことも予想され、これまで巨大な勢力を持っていた端末メーカーの構図も変容する可能性もある。』

 一方で、ケニアなどでは、スマートフォンも大人気だそうだ。アフリカ1から、アフリカ2へ。そしてアフリカ3へと、アフリカン・モバイルは広がっているわけだ。私は8年前、携帯のバッテリーを充電するインフォーマルセクターをキべラスラムで見た。さらにブルキナでは、国道でプリペイドカードを売り歩くインフォーマルセクターの少年たちも見た。識字率が向上すれば、カラーディスプレイになり、インターネットが見れるようになるのであろう。その頃には、サブサハラ・アフリカでも悪いガバナンスは駆逐されるかもしれない。それは、チュニジアやエジプトの例を見るまでもない。

0 件のコメント:

コメントを投稿