2011年2月1日火曜日

私のPRSP 2010 その3

 1日に2回の更新となるが、是非とも「私のPRSP」を書きたい。と、その前に、今日は6人ものOGが里帰りしてきたのだった。完全に女子大生化したK外大の4人とK大、W大の皆3回生である。案外みんな他のOBの近況に詳しかった。そういう話を近くの喫茶店で聞いていると、幸せな気分になるのだった。せっかくなので、後輩の口の悪いI先生と、3A担任の君子然としたT先生とともに記念撮影をした。(笑)みんな、就活がんばれよっ!
 
 さて、「私のPRSP」である。以前に書いたように、座席の列ごとに国を抽選した。書きやすい国、書きにくい国がある。しかも学年末考査で持ち込みなしだから、レポートで書くよりはるかに難しい。これから紹介するのは、R大の政策科学部に進む某君の答案である。彼女にとっては、大学入学前の良きトレーニングになったと思う。ちなみに一字一句原文のママである。

 <タンザニア>
1.概要 東アフリカに位置する。人口約4000万人、政治的に安定しており、経済成長率は年6~7%である。主要言語はスワヒリ語・英語で、100以上の民族が共存している。主な産業はコーヒー、綿花など。
2.長所・短所 (ア)長所 政治的にとても安定。ガバナンスが良く(現在の大統領の支持率80%以上!)識字率も70%を上回っており教育面でも大きな問題はない。アフリカ最高峰のキリマンジャロや豊かな自然を有する国立の自然公園などもあり観光業がさかんである。(イ)短所 高い経済成長率(前述)を保っているにもかかわらず、GNIは依然低いまま。国際的な区分でいうところの『最貧国』である。気候が雨季と乾季の変化しかないため、雨季に降るはずだった雨が降らないと大規模な干ばつが起こってしまい、その干ばつにより経済が安定しない年もある。男性の識字率に対する女性の識字率が7割強と、少し差が生まれているのも気になる。
3.PRSP ①長期的展望 タンザニアには今後、東アフリカ、あるいはアフリカ全土を代表する国になれる可能性がある。なぜなら、ガバナンスがわるく、もがき苦しんでいる国が多くある中でタンザニアは化石燃料や特定の作物がほとんどないにもかかわらず、良い経済状態を保っているからだ。タンザニアがこれから先、貧困から脱却し、アフリカの中心を担い、経済的あるいは政治的に他のアフリカ諸国を鼓舞していくためのひとつの方法として、以下の提案をしたい。②具体的な政策とその理由(ア)観光業の促進 タンザニアにはたくさんの観光名所があり、毎年多くの旅行者が訪れていることと思う。それがタンザニアにとっての外貨獲得の大きなチャンスである。少し時間はかかってしまうかもしれないが観光事業の専門学校(初等教育後の技術中等学校枠に組み込むものとする)を設けたり、独自のツアーを作ったりして観光事業に就く専門家と観光客を増やせば、都市部への人の流入が増え、雇用も広がるであろう。そのためには政府からの補助金、または他国からのODAが必要となる。(イ)女性識字率の向上 タンザニアの成人識字率は高い方ではあるが、女性に関してはまだまだ低い。それが乳児また5歳未満の幼児の死亡率が決して低くないという事実の理由であることは疑いない。子どもに受けさせてあげるべき治療などを母が字がよめないために受けさせられないことがあるからだ。それを防ぐべく、学校や社会の女性に対する考えや見方を政府主導でかえるべきだ。

 【私の信じられないほど厳しいコメント】
 タンザニアは、過去のウジャマー社会主義によって、アフリカでは珍しい「国民国家」となり、多くの民族が共存しているという表現は正しい。彼女はPRSPに観光業のさらなる発展のための教育行政の試案を書いている。なるほどと思うが、さらにその試案上に、道路やホテル建設、それにまつわる上下水道や電気・ガス等、さらにゴミ処理施設までののインフラ整備が必要不可欠であろう。また人間の安全保障の観点から、女性の識字率向上政策を挙げている。ただ、政府主導ではなかなか難しい。具体的な細かな政策をさらに書いてほしかった。なにより、短所にある天水にたよる農業をいかにすべきなのかという政策がない。いかにしてサバナ気候で農業の生産性を上げるかというのは、なによりの重要課題である。(ちなみに彼女たちには、そういう地理的な講義はほどこしていないのであった。)

 とはいえ、答案上に、高校生の段階で、これだけきちんとまとめあげていることに、私は大いに満足している。さら今年のPRSPから、おもしろい提案を紹介していくつもりである。続く…。

2 件のコメント:

  1. こんにちは!OBです:)笑
    私は昨年のゼミ大会で「コンゴ民主共和国:サバナ気候の農地開発」というテーマで発表しましたが、結論を導き出すことは困難でした。結局半ば強引に、アレイ・クロッピングや混作といった既存の農法を組み合わせて結論としました。サバナ気候は降雨パターンだけでなく、土壌そのものが農業に不適なので、ダムなど大規模な開発が必要になりそうですね。何か有効な方法ありますか?笑

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  2. コメントありがとう。調べたでー。(笑)2日付ブログを見て下さい。

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