2010年9月20日月曜日

下川祐治を久々に読む

私は地理の教師でもあるから、海外旅行記ものは”文庫”で出来るだけ読むようにしている。とはいえ、蔵前仁一とか下川祐治といったバックパッカーモノが多い。さて、先日「格安エアラインで世界一周」という5月に出た文庫を見つけた。LCC(ローコストキャリア)については、最近マスコミでも注目されるようになったが、さすがは下川祐治である。すでにLCCで世界一周(正確には、関空から西に向かい、ロングビーチまで)している。本人も自虐的に貧乏旅行作家と自称しているが、いつも厳しく悲しい旅である。
 私もひとり旅なら、航空会社など安ければどこでもいいと考えるのだが、この本を読んで少々考えた。LCCは、完全に英語の世界である。それも、インターネットでの予約が決定的な要素となる。しかも、いかなる事情(他の航空会社の乗り継ぎの遅れ等)でも乗り遅れたらおわりである。海外では極めて慎重になる私にはちょっと厳しい。機内サービスが有料だろうと、ビデオがないだろうと、ちょっと辺鄙な空港着こうと、そんなことはいいのだが、予約するのが極めておっくうだと思った。実際、下川祐治も、1日6時間パソコンに向かい、不可思議な予約の体験をしている。そう、パソコンの様々な入力には一種の”怖さ”と”不安”がある。以前、携帯電話の電波が自宅に入らないのでソフトバンクにアクセスしようとしたら、無茶苦茶複雑で、しまいに頭にきた。日本語でもこれだから、ストレス性もきわめて強い。

 この本を読むと、アジアではLCCは、経済移民や出稼ぎの足となり、ヨーロッパやアメリカではビジネスマンの足になっているようだ。そのサービスも極めて経済効率を重視したアジアと、LCCの中でもサービスの差異化をはかる欧米の差もあるようである。LCCをひとくくりにはできない。

 さて昔、格安航空券ガイドという雑誌があって、下川祐治がかんでいることも知っていた。この本の中盤で、そのことが出てくる。あの頃から「格安航空券」が認知されたのだが、今はインターネットの普及で、これらの雑誌はブッ飛ばされてしまった。私もよくエイビーロードなどを意味もなく買って読んでいた時期がある。それだけで楽しかったのだが。

 時代は、LCCに移るのかもしれない。飛行機好きの私としては、いっぺん乗ったろかという気になる。単純な路線で、ヨーロッパ間の移動、そうロンドン-ダブリン間ぐらいならいい。下川祐治の言う頑固な食の習慣を捨てないアイルランドのパブでアイリッシュ・コーヒーを飲むをために。

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