2010年9月21日火曜日

MDGsサミットが始まった

 今日は、文化祭の代休なので、ブログを早めに書かせてもらうことにした。なぜなら、極めて重要な国際会議が始まったからである。しょせん叢裏鳴虫にすぎないが、声を大にして言いたい。

 国連で、MDGs(ミレニアム開発目標)サミットが始まった。国連事務総長は、先進国の経済が落ち込んでいることで、2015年までの後5年で、この目標が達成できるか危ぶんだ。サルコジ仏大統領は、先進国が、財政危機にある中でも支援を続けて行こうと訴えた。とニュースは伝えている。
 なるほど…。私は、このMDGsについては、生徒に出来るだけちゃんと教えているつもりである。この元になる理論は、アマルティア=センのものだし、これをまとめたジェフリー・サックスも偉大である。MDGsの設定目標は、”まっこと”正しいと思う。<MDGsについては画像を拡大して参照ください。>
 だが、サルコジの言は、なんとなくウサンクサイ。彼は、フランスの国益の代弁者である。どうも私はフランスという”ヨーロッパ中華共和国”が好きになれない。(この中華は中華思想の中華である。)「ロマ追い出し」の件も、「ムスリムへの圧力」も、アメリカに対抗して、EUという異文化共生の”ヨーロッパ合衆国”をを主導したわりには、ケツの穴が小さい。そんなフランス政府が、援助を増加させるといっても、ああ、アフリカに中国が進出しまくっていることへの旧宗主国の焦りだな、としか受け止められないのである。
 先日読んだ「援助じゃアフリカは発展しない」という本は、アフリカの悪しきガバナンスへの嫌悪感を増幅させるという意味で、こういう問題に意識を持つ我々にとっての劇薬かもしれない。ケニアのキバキが「さらに援助の増大を」と述べても、空虚にしか感じなくなる。

 リンクしている『アフリカのニュースと解説』の、アフリカのページ、”ブログには使わない要約のページ”に、『アフリカの独裁者が所有する飛行機の内装』という記事がある。これを見ると、思わず吐き気がする。本気で先進国が、構造的暴力の解消を考える時、独裁者の糾弾から始めねばならないだろうと思う。http://let-us-know-africa.blogspot.com/p/news.html

 とはいえ、MDGsは、地球市民にとって最重要な問題である。国益を離れ、政治家が善意で討議することはありえないと思うが、やはり注目したいと思う。

2 件のコメント:

  1. 写真とにかく凄いです。。
    日本人はミレニアム開発目標より中国との領土問題に躍起のようですからサルコジのマーケティングを少しは見習った方がいいかもしれませねぇ。。

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  2. 尖閣諸島の問題は、中国という極めて特殊な国家の問題を露呈しているように私には見えます。またいずれ、この問題についても書いてみたいと思います。
     ところで、日本は、中国よりはるかにアフリカ諸国、それも権力者より一般人に信頼されているようです。これは中国紙が伝えたもので、日本は様々な技術の伝授に力点を置いていて、いわゆる覇権思想がないからだと思います。私は、その点を評価しています。

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