2010年9月8日水曜日

叢裏鳴虫Ⅴ

 今日はガーナの棺桶について書こうか、コートジボアールの問題について書こうかと思っていたが、帰宅後妻が、「鈴木宗男の実刑が確定したでぇ。」と開口一番教えてくれた。実は、妻も今日の画像にある「汚点」や佐藤優の「獄中記」などを読んでいて、国策捜査について理解し始めているのであった。私は、松山千春の歌は好きで十八番であるが、鈴木宗男氏の政治手法が好きだとか、そういう想いはない。ただ、佐藤優の著作を何冊も読み、彼が鈴木宗男という政治家に親近感をもったことは理解できる。私心を捨てて「国益」を追求する姿勢が2人の共通項なのだということも理解できる。霞が関の官僚もまた違う角度から「国益」を追求しているが、その私心のなさは彼らには不都合なのであろう。
 田中真紀子などというわけのわからない人間を小泉が外相にして、外務省を二分して混乱させたことに全ては由来する。結局検察も官僚による国家を守る青年将校的装置であり、最高裁もまたその守護神的装置であるわけだ。小沢一郎もまた、この官僚国家に戦いを挑んでいる。腰が引けた菅首相と戦っているようだが、官僚国家という構造と戦っていると私は見る。(といって、小沢一郎が首相になることを望んでいるわけでもない。政治的ペシミズムに陥ってしまう。)

 こうして見るとテレビのニュースなどのなんとうすっぺらい事か。ちなみに、鈴木宗男の実刑確定について佐藤優の見解が出ていたので引用する。「このタイミングでの上告棄却は非常に政治的と思う。一つは、郵便不正事件の公判で10日、厚生労働省元局長に無罪判決が出る公算が大きく、検察捜査への批判が高まる。さらに民主党代表選で小沢一郎氏が当選し、鈴木氏を要職に起用すれば、鈴木氏に手をつけられなくなる。それを恐れて先手を打ったのではないか。機密費問題などで追及する人物がいなくなり、一番喜んでいるのは外務官僚だろう」(Yahooニュース産経新聞19:10配信分)

 日本という船が、非常に危うい時に、いったい何をしているのだろう。日本の国益云々を、私は重視する立場ではない。だが、自分たちの立つ基盤がゆれると地球市民として起つこと自体が難しくなる。フラストレーションが溜まる話であった。 

追記:本日朝、OGのあやっぺが、フランスへ飛び立った。ちょうど台風が来ていて離陸時は揺れたと思う。KLMを使うと聞いた。座席が狭いので苦しいフライトだと思う。1年間、外から、じっくりと日本を見てほしい。またロマやムスリムへの風当たりが強いフランスで、異文化共生について様々な経験知を積んできて欲しいと思っている。

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