2010年9月15日水曜日

援助じゃアフリカは発展しないⅡ

『援助じゃアフリカは発展しない』を読み終えた。ものすごく簡潔に言ってしまうと、この本は、アフリカの発展を阻害している”悪いガバナンス”の根源は「先進国の援助(日本で言えば円借款のような低金利の長期の貸付資金)」にあると断言し、「金融」という視点から、他の方法で十分開発資金を得ることができる、だからもう援助に頼る財政は百害あって一利無しだと説いていると言えよう。
 アフリカの持続可能な開発のためには、ガバナンスの改善が必要だというのは、もはや常識である。私の好きなポール・コリアーもまた、「民主主義がアフリカ経済を殺す」で主張するところであり異議はない。ポール・コリアーが、「国際的法整備によるガバナンス監視」を主張したように、著者ダンビサ・モヨは、「金融面」からガバナンス改善の道を探ろうとしているのである。
 私は、経済はおろか、金融にいたっては完全な素人なので、彼女の理論が果たして正論なのか専門的に論じる力はない。しかし、彼女の説く①中国やインドを相手にした南南貿易の可能性や、②中国を中心とした外国直接投資、③資本市場での信用創出で起債する方途、④海外送金システムの改善、さらに⑤マイクロファイナンスの積極導入、⑥国内貯蓄制度の確立など、いたずらにガバナンスの悪化を招く「援助」に代わる金融政策の数々は、説得力があるように思えた。

 9月10日付のブログで、私は、『ただ、前半部を読む限り、かなり反グローバリゼーションな立場に立っているな、という感じを受けた。』と書いたが、これは最終的には大きな誤解であった。本書61Pにある「蚊帳をつくる話の例」を読む限りこの推測は間違っていないと思うが、後半部では、彼女は、あくまでグローバリゼーションの肯定者というスタンスが様々な箇所で明確である。ここで、訂正しておきたいと思う。

 本書の「帯」に”劇薬”である。とあるが、果たしてそうだろうか。東西冷戦下で、アフリカもまたその権力闘争に巻き込まれ、援助という”赤い糸”を結ばれ、そもまま援助も推移した。結局のところ先進国の国益追求の方が、アフリカの発展よりも優先されたという事実にすぎない。たしかに援助を断ち切るという選択肢は、第三者から見れば”劇薬”に見える。だが、一般のアフリカ3にとっては何も変わらない。変わるのは悪しきガバナンスによって、太っている権力側の少数者である。

 私は、この本を、ブルキナで知り合ったトーマ君(ワガドゥグー大学の経済学部の学生)に是非読んで欲しいと思った。彼は、私が世話になったIさんの事務所の大家の息子で、正義感あふれる未来のブルキナのエリートである。彼や彼の仲間に、是非読んでもらって、感想を聞きたいものだ。おそらくは、膝を打って、このザンビア人エコノミストのモヨ女史に賛意を示すのではないか、と思うのである。

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