2010年3月14日日曜日

ドラゴンボールin Milwaukee


 教師として、生徒の関心に触れることは重要だと思い、前任校では少年ジャンプを愛読していた。本校勤務になってからは読まなくなったが、昨年の体育祭の時、横断幕にピンクの帽子をかぶった鹿の絵を生徒が描いた。「この鹿、かわいいなあ。」と言ったら、チョッパーというトナカイだと言われた。なんでも『ワンピース』というマンガの登場人物だという。これはいかんと思い、日曜日の朝はドラゴンボール改とワンピースのアニメをまるまる1時間見る習慣がついてしまった。これが、…なかなか面白い。生徒がハマるはずである。

 ところで、今日の本題は、ドラゴンボールなのである。<なのに画像がチョッパーなのは、単なる趣味の問題である。>このドラゴンボールには、ちょっと思い出がある。最初のアメリカ研修旅行の時、ウィスコンシン州のミルウォーキーを訪れた。あまり見どころのない街で、パブリックという名の博物館くらいだという。他の先生方は早々とホテルに引き揚げたのだが、私はこの博物館の展示にハマった。この街にやってきた様々な移民の暮らしをミニタウンとして展示してある。アイリッシュの家はかなり貧しげで、カトリックの祭壇があったり、ウクライナ人の家には正教の祭壇があったり…。なによりしびれたのは、ユダヤ人の家である。黒いコート、本の並んだ本棚、バイオリン。写真を撮った。それでも飽き足らずスケッチしてコメントを書きこんだ。素晴らしい博物館だった。
 さて、その夜、ミルウォーキー市の教育委員会主催の歓迎パーティーが開かれた。その中に場違いな高校生がいたのだ。その高校生が私の前の席に座った。彼は、委員会のメンバー宅にホームステイしている留学生だったのだ。「どこから?」と聞くと、「イスラエル」と答えた。バリバリのユダヤ人だったのである。「君のおじいさんやおばあさんの出身は?」と聞くと「ポーランド」だと言う。「じゃあ君は”アシュケナジ”なんだ!」と言うと、彼は大喜びした。日本人が”アシュケナジ”という言葉(ヨーロッパに離散したユダヤ人の総称である。)を知っていたことに感激したらしい。結局パーティーの間、彼とずっと話をしていた。彼は「日本の4WDが欲しいのだ。」と言っていた。「ミツゥビシ、イツゥズ!」とかなり訛っていた。(笑)三菱のマークは土佐藩のマークだとか、いらん話を真剣に説明した。

さらに彼はドラゴンボールを見ていて、かなり盛り上がった。私は「どこまで知っているか?」と尋ねた。かなり初期だったので、「悟空は、やがてナメック星でフリーザと戦うのだ。その時スーパーサイヤ人になる。」と教えた。どこまで彼が私のサバイバル米語を理解したのかは不明だが、とにかく一生懸命聞いてくれた。(ドラゴンボール改では、今日ついに、悟空はスーパーサイヤ人になった。)<さてさて結局どう考えてもおかしいので、やはりドラゴンボールの画像も入れることにした。>

 あれから幾星霜。ミルウォーキーでの邂逅は、私の中に『地球市民の種』を植え付けた。私は、今でもパレスチナの悲惨な状況の映像がニュースで映し出される度に、戦車の上にいるのが彼ではないかと心配している。決して地球のどこかの”ヒトゴト”ではないのである。

2 件のコメント:

  1. 私はアメリカに一カ月居ただけで10ヶ国の人と話せました。珍しいところではニカラグア人とパナマ人でしょうか。おそらく私の親戚どこまで遡ってもニカラグア人と話した人はいないと思います。一方で、彼女は華僑なので親戚が世界中にいて、インドネシアでプランテーションやっている大金持ちもいるらしいです(プランテーションって教科書の世界ではないんだw)。スゴイところでは彼女の友達に満州族の名家の人がいて、満州支配が続いていればお姫様になるはずだったみたいです(司馬遼太郎の『韃靼疾風録』の世界だ!w)

    というわけで前回のコメントにもありましたが、経験や環境がないとなかなか地球市民として生きるのは難しいですね。

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  2. 『経験や環境がないとなかなか地球市民として生きるのは難しいですね。』という哲平さんの言葉は真理です。私も生徒を常に煽っています。(笑) 近々、常設ページに私の「地球市民の記憶」を書き込む予定です。

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