2010年3月10日水曜日

”コメ”食う”アフリカの”人々


昨日、JICAの月刊誌が届いた。ありがたいことに、月刊誌"JICA'sWorld"と、JOCV(青年海外協力隊)の月刊誌クロスロードが、毎月私宛に送られてくる。国際理解教育の様々な教材として利用しているのだが、今月号の特集は、「アフリカ新時代」、アフリカの年といわれ、多くの独立国が生まれた1960年からちょうど50周年を記念したものだった。これまでのJICAの取り組みがうまくまとめられていた。成長するアフリカ経済マップもなかなかいい。さて、「JICAにここが聞きたい」というコラムがあって、アフリカではどれくらい”おコメ”が食べられているの?というQがあった。ちょっと意外なデータが面白い。サブサハラアフリカの国と日本の1人あたりの年間コメ消費量だが、日本以上に消費している国が8カ国もある。第1位マダガスカル。この国は、アフリカの中のアジアであり、マレー系の人々が多いので私も知っていた。しかし2倍近い消費量だ。次に、リベリア、シエラレオネ、ギニアビサウ、マリ、モーリシャス、キニア、コートジボアールの8カ国。セネガル、ガンビア、コンゴ共和国は日本よりほんの少し少ないくらい。西アフリカを中心にかなりコメ主食派の国が広がっているのである。
 地理の農業分野で必ず教えるのだが、コメが穀物の中で最も人口支持力が大きい。つまりカロリーが高いのである。したがって、コメを栽培できる地域ではコメをつくる。それが無理な場所で、小麦やトウモロコシをつくる。それも無理な場所でソルガムなどの雑穀、さらにそれも無理な場所が遊牧になるのである。ヨーロッパの肉食は、小麦という穀物としてはコメより劣るものを主食としなければならない不利を補うためのものなのである。アフリカで、作れるところでは大いにコメを作ることは、開発経済学からも最も価値的な政策なのである。
 JICAは、アジアに比べ半分ほどの土地生産性しかないアフリカの稲作を大いに支援している。TICADⅣ(日本が中心となって進めているアフリカ開発会議/2008年で4回目)でも、他の組織と共にサブサハラアフリカの稲作振興を進め、生産量を倍増する取り組みを進めている。頑張って欲しい。
 
 さて、ワン・ワールドフェスティバルの時に覗いた高校生の国際ボランティア団体WITH(2月6日のブログ参照)から、講演の依頼がきた。当日は11名が参加するらしい。なんともありがたい話だ。
 どういうふうに進めようか。…思案中である。

2 件のコメント:

  1. そういえばタキイ種苗という会社の説明会でタネは植える地域によって同じ種でも全く違うものになるという話を聞きました。
    農業をやっている人からすれば当たり前なのでしょうが、食べるしか能がない私からしたらすごく新鮮な話でした。
    日本のコメは病気にも強くて台風にも強そうなイメージなので、アフリカでも活躍できそうですが、実際は全く違うのでしょう。なので日本の農業すらまともに知らない私は、JICAが現地でどんな活躍をしているのか私には皆目つきません。

    講演頑張ってください!いつか私も講演会とやらに呼ばれてみたいですw

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  2. アフリカでの稲作支援は、いわゆる技術指導(圃場の平均化や正条植え、除草など)と、インフラ整備(治水など)と、ネリカ米などの乾燥に強い陸稲などの開発も行われています。転勤したら、農学部に行く生徒をいつか輩出したいと思っています。(本校は完全に文系の進学校ですので…)

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