2010年3月29日月曜日

GlobalなあまりにGlobalな


 今日は、JICAセミナーの出張もあったので、久しぶりの学校だった。あまり用事もないのだが、今春転勤が決まった国語科のM先生が担任だったクラスのOGが来るというので、楽しみにしていた。M先生は、私より1歳年下だが同年代として仲良しであった。ほんと人柄のいい先生である。こうして、転勤と聞いて是非ともと会いに来る生徒がいるM先生は幸せ者である。彼女らは、同時に私のJICAセミナー参加生徒であるので、授業は教えていなかったのだが近しい存在である。M先生と私とOG2人で近くの喫茶店でいろいろ話をした。某大学で、日本語教師をめざすOGは、オーストラリアへの飛躍を強く望んでいた。某大学で、中国語を学んだOGは、就活中であるらしい。彼女たちとの対話の中で考えたことを今日は書こうかなと思う。

 グローバリゼーションの進展で、今や日本は、中国ともオーストラリアともUSとも、善悪や好き嫌いを越えた相互依存の関係を持っている。その中で彼女たちは将来を見据えて生きていかなければならないのだ。私やM先生の世代とは隔世の感がある。中国語を生かしたいOGには、あえて台湾企業を勧めてみた。中国の圧倒的なグローバルな進出に、台湾は必死に抵抗を試みている。アフリカでも台湾派は数少ない。ブルキナファソが台湾派なのは行ってから知った。なかなかシタタカな選択である。だからこそ、おもしろいのではないかと私は思ったりする。台湾がこのまま飲みこまれるとは思わない。中国は、国として見ると見誤る。1つの世界である。この世界をまとめるのは容易ではない。今は国家であるが、いつ何時崩壊するかしれない危うさを秘めている。だからこそ、googleが撤退しようと、チベット問題を非難されようと、国内安定に必死なのである。蟻の一穴が恐ろしいのである。その点、台湾は民主国家であり、スキルも資本の蓄積もある。案外将来性があると私は思うのだ。就活でもグローバルな視点で見なければならなくなった。

 日本の加工貿易は、いくつかの日本的スキルが優位な上では存続するだろうが、これだけ技術移転が進むときびしい。またアフリカでいえば、日本は、高所得層のアフリカ1相手の商品を生産する国である。しかし、これからはBRICsのGDPが爆発的に伸びるはずである。中間層のアフリカ2、最下層のアフリカ3への商品開発が求められている。スズキ自動車はインドに進出して成功した。安価で良質なものは売れる。いつまでも高価で超高品質な製品だけを求めていては、グローバルな経済発展で生き残れない。日本の将来を考えると、英国病を発症したUKの如き成熟した過去の先進国となっていくのかなあと思ったりする。

 グローバル化した世界は、教科書やパソコン上の世界ではない。足元にまで及んでいる。OGたちと話していて、強く実感したのであった。

5 件のコメント:

  1. 今日は本当にありがとうございました。

    台湾から帰国して早2ヶ月、
    日本の就職活動に耐え切れず悶々とする日々を過ごしていただけに、
    今日の先生方とのお話はとても興味深く、またやる気スイッチを押してくれるものとなりました。
    帰宅後、気持ちを入れなおして説明会参加後提出の、
    資料を書き、一段落した所です。


    今日先生のお話を聞いて、私の(もし企業に入ったら)やりたいことが見つかった気がします。
    私の漠然とした夢というか目標は、『10年後の日本を元気にすること』です。
    自分でもちょっとアホらしい~なんて思ってはいるのですが、
    留学から帰ってきて、1年前の日本と全然街や人の活気が違うなって感じました。
    その点では、将来もし結婚して子供を生んだ時には、自分の子供に元気な日本の姿を見せてあげたい。だから、グローバル企業と呼ばれる海外進出している企業がいいんだって思っていました。

    しかし、それは、妄想の世界で、実際じゃあどうすれば日本は元気になって(経済の活性化に繋がって)、10年後明るい未来が待っているのかという具体的な策は一つも思いつきませんでした。

    今日、先生のお話を聞いて、私がやりたいのは、高級層ではなくミドル層に対しての日本製品シェア拡大なのかな?って思いました。日本の製品は確かに質が高いですが、値段も高く誰しもが手に入れられる製品ではないと思います。
    だけど、日本の技術力・製品力・人材育成能力は他国に劣らない技術だと思うので、そういうところは世界に伝えつつ、winwin の関係を国同士で作っていければ、、、日本の経済も少しはよくなっていくのでしょうか???

    いまいち何を言いたいのかが、分からなくなってしまいましたが、今私が出来ることは、たくさんの企業に足を運んで、世の中の流れ、世界の流れを身をもって感じ取っていくことだと思います。

    今日改めて、某高校の卒業生でよかった!!と感じました。
    本当にありがとうございました。
    また、ここ数日冬に逆戻りだそうです。
    お体には、十分気をつけてくださいね!

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  2. 初めてのコメントです。
    専門学校で社会系の非常勤講師をしています。

    受験科目として教えつつも、受験科目としてだけではなく、もっと広がりをもたせることができないものかと…いつもブログを拝見しながら、自分の授業を振り返ってしまいます。
    これからも楽しみにさせていただきます。

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  3. globalizationは確かに私たちの足元まで来ています。一世代、あるいはもう少し前の世代の人たちが東京で働きたいと言っていたような感覚で、私たちの世代は海外で働きたいと言っているような気がします。たださすがのglobalizationも私の祖父、祖母のとこまでは辿り着いておらず、私の中国人の彼女(もうすぐ彼女じゃなくなりますが)をめぐってもめております。
    最近は世の中で一番変わらないのは人だと痛感する日々を送っています。

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  4. 今日…日付は変わって昨日になってしまいましたがありがとうございました。

    飛び立ちたい気持ちが翼でも、そこに絡む様々な不安や心配が手枷・足枷になって飛び立つための踏み出しができず、ただその場に立ち尽くしているだけの私に、いくつか策を提示してくださったことが嬉しかったです。

    それらを実行することは恐ろしいほど難しく、そこへ行きたい気持ちは強くても理由が弱いですが、先生方とお話できて、4つの手枷・足枷のうち1つが外れたような気分です。少し軽くなりました。
    「何も出来ない」から、「さぁどれにしよう」に変わりつつあります。

    今日お話したように、私はメディアで飛び交う「戦略的パートナー」という言葉が好きではありませんが、日本とオーストラリアは切っても切れない関係、たとえ好きでなくても手をつないでいなくてはならない存在なんですね。
    そんな中でオーストラリアが好きでたまらない私に何が出来るか。
    具体策はなかなか思いつきませんが思いをはせるのも第1歩かな、と思うのです。

    うーん…難しい。どうしたものか。

    春は名のみの風の寒さや。お体に気をつけてくださいね。
    また何かあればお話したいです。

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  5. たくさんコメントをいただきありがとうございます。嬉しいです。今夜は先日書いた「主席」の弟分の送別会なので、仕事も机上の片付けぐらいなので午前中半休を取り、コメントします。

     非常勤講師さん、初コメントありがとうございます。これからもよろしくお願いします。さらにいいブログを目指します。

     哲平さん、「最近は世の中で一番変わらないのは人だと痛感する日々を送っています。」同感です。この急速な世の中の流れの中、流されず、自由に泳げる自分でありたいですよね。

     yukimiさん、人間力と旺盛なる知識欲が自分を開拓すると思います。頑張って。

     mikiさん、読者登録ありがとう。人間の「一念」というのは、大きいものです。そこから派生する行動に努力と一貫性があれば動くのではないかなと思います。
     

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