2010年2月11日木曜日

建国記念日に国境なき医師団


 今日は、建国記念の日である。私は思想的にど真ん中だと思っているので、建国記念の日についての是非を説くつもりはない。愛国心というものは、自然な感情である。海外で、どこから来た?と問われて、「私はコスモポリテースである。」と、さすがに答えたことはない。だが、いたずらにナショナリズムを鼓舞したり、反対に日本を卑下するのもいかがと思う。私はヒロシマも教えるし、731部隊の事も教える。東京裁判では、A級戦犯に対するパル判事の意見に感銘を受ける。とはいえ、生徒に意見を押しつける気はない。それこそが、社会科教師の矜持というものだ。
 さて、そんな建国記念の日。国境なき医師団について書きたいと思う。私は、いつからだったか忘れたが、フィールド・パートナーである。月1500円が銀行から自動的に国境なき医師団に行く仕組みだ。最近来た資料に、昨年度の私の19500円で、「はしかの予防接種を1000人に。またはそのまま食べられる栄養治療食を517食。またはマラリア感染の検査を375人に。または避難民のシェルター資材を7家族に。」という感じで使わせてもらいましたとの報告があった。ブルキナファソにも行ってくれているのが嬉しい。
 私は日本人であるから、国境なき医師団のパートナーになっているわけではない。反対に、日本の国益も含め、全ての先進国の国益を考えず動く団体だから支援しているのである。彼らは、紛争地でも平気で入るが、ヤバくなったらすぐ逃げる。そのかわり、しがらみなくすぐ駆けつける。この前のハイチだってそうだ。私は「国家」という枠組みを超えた「国境なき」医師団を支援しているのである。

 ところで、ポール・コリアーの「民主主義はアフリカ経済を殺す」の中には、近代国家論が安全保障の枠組みとともに見事に説かれていた。彼は言う。主権の共有は可能だと。その例としてあげられたのは、日本とアメリカだった。私は電車の中で笑いをこらえるのに苦労した。「国家」とは何か?今日は、建国記念の日だ。やはり考えずにはおれない。

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