2010年2月18日木曜日

仮想世界ゲームⅧ


 仮想世界ゲームの実施報告書の校正も済み、今日から国際理解教育学会の5月7日締め切りという抄録用原稿を書き始めた。(とかく新学期は多忙である。落ち着いて書くのは今だ!)…というわけで、今日は、その総括編である。まず反省点。大学生が集中講義で実施するところを授業展開で行ったことについて、進行上かなり無理があったこと。特に地理Bの諸君の協力なしでは絶対不可能であったこと。(まあこれは仕方がない。想定内である。)さらに授業ゆえに、親しい友人同士のプレーヤーで行うことになり、感情的要素を増幅させることが多かったこと。生徒諸君の報告書や学年末考査の考察を読むと、痛いほどわかった。準備段階で、地域ごとのミーティングをしたのも反省点。このゲームは、やはり個人として自立して、自らの行動を決めるようにすべきであった。あまりに地域ごとの帰属意識や共同行動が多かった。(それはそれでE地域のように、うまくいったコミューンも生まれたのであるが…。)特に序盤は他の友人への依存性が高かったように思う。(S地域の神の見える手問題も、「依存」が大きな原因だと分析した。)
 しかし、私自身は今回の実践に大いに満足している。生徒諸君は懸命に知恵を働かせ、様々な疑似体験をして、学ぶところが多かったと思うからである。ESDにおける(途上国の問題を学ぶという狭義としての)国際理解教育のアクティビティとしては、南北貿易ゲームをはるかに凌駕するものだと思っている。
 理想としては、4人ずつ10校の生徒が集まり、集中講義として行うのがいい。さあ、次の段階へ始動である。同じようにESDを重要視している先生方のネットワークを使って参加校を募集し、是非とも本校のゼミ室を使って一度やってみたいものだ。…やっぱり『猶余忠義塡骨髄』(猶お余す忠義の骨髄に塡つるを)に帰着してしまうのである。

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