2023年1月14日土曜日

大覚醒運動について

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「アメリカの教会 キリスト教国家の歴史と本質」のエントリー、回を重ねて第14 回目になった。アメリカでは、4回(5回という説もある)ほど教会の覚醒運動が起こった歴史がある。第1回目は、1730年頃のことである。この頃、ニューイングランドの会衆派が、ニューライツ(福音主義派)とオールドライツ(再生反対派)に分裂した。福音主義派は、「本当の信仰者は神を個人的に知っており、願いと行動を神の意志と合致させる」と考え、回心したと自分でもわかり、周囲の人とも判定できるろ考える。再生反対派は、これまで会衆派が重視してきた「回心」や「再生」を認めないとする人々である。

ニューライツの中でも、穏健福音派は、回心を認めるが大覚醒運動は大きな社会変革には結びつくとは考えないし、アフリカ系やネイティヴ、女性、子供、教育のない白人が聖霊の働きだけに基づき新しい宗教的権威を求めるのは危険だと考えた。これに対し過激福音派は、大覚醒運動を、これまでの回心がチェックされ、聖霊の新しい時代、革命だと考えた。分離派の人々は一歩進んで、幼児洗礼を否定するバプティストになった。前述の幼児洗礼問題にこだわったのである。(1月6日付ブログの「半端契約」)この分離派バプティストは結局長続きしなかったが南部に強力な宣教を展開していく。

大覚醒の主役は、一般の人々、とりわけ非白人の人々であった。ニューイングランドでは大覚醒が劇的に起こって、(植民地の教会は公定教会なので新しい教会をつくるのは州の権限なのに)何百もの教会が分離した。これまでの教会はピュアではないと思われたからである。

一方、大覚醒運動による福音主義は、奴隷制反対の源泉の一つであった、多くのリーダーが主張したが、特に南部では、なかなかうまくはいかなかった。大覚醒の帰結のもうひとつは、公定教会の廃止、政教分離への流れである。大覚醒は、独立革命と関係があるのかという問いに対して、福音主義カルヴァン派が革命にエネルギーを供給したという説があるが、多くの歴史は懐疑的であ。福音主義は数ある要因のひとつに過ぎないといわれる。しかし、大覚醒運動は、既成の権威に対する大衆の挑戦であり、独立革命とスタスを同じくしていることは疑いようがない。

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