2022年8月1日月曜日

ドイツ 究極の選択と日本

https://www.tokyo-np.co.jp/article/82502
ヨーロッパで首脳の退陣が続いている。イギリスに続き、イタリア。イタリアの首相は元欧州銀行の総裁でEUの金融をリードしていた人物で金融のプロ中のプロ。だが、イギリス同様、インフレーションを抑えることが出来ず退陣したとのこと。このインフレーションは、コロナ禍とウクライナ戦争による供給インフレ(コストプッシュ・インフレ)である。コロナ禍による流通の滞り、これがグローバル化によるサプライチェーンの問題に発展し、さらに観光業の衰退が起こっていたところに、ウクライナ戦争で、石油や天然ガスなどのエネルギー資源の高騰、それに伴う電気代や輸送費の高騰、食料資源の高騰へと、世界的なスタグフレーション(不況下のインフレ)になっている。イタリアの債務は150%だとか。いくら金融のプロでも無理なものは無理ということか。

ところで、次の首脳退陣はドイツではないかと囁かれている。と、いうのもドイツは、ロシアの天然ガス依存度が大きい。EUの盟主、NATOの一員としてウクライナ支持に回ったが、ロシアの天然ガスの供給が滞っている。このままでは、ヨーロッパの寒い冬を越せないだろいと言われている。全国に冬のためのガス貯蔵施設があるが全く溜まっていないし、今でも電力不足で工場の稼働に大きな影響が出ている。日本のような液化天然ガスのインフラも全く無いので、あとは原発を動かすか、石炭による発電しか道がない。原発は、有名なみどりの党が許さないだろうし、石炭発電は日本に早期廃止を強要してきたくらい環境問題にうるさいのだが、背に腹は変えられそうにない。国内には品質の悪い褐炭は産出するので、国際的非難を受けながら二酸化炭素を撒き散らすしかない。いや、ロシアは、アメリカが大反対した新しいパイプライン(ノードストリーム2)でなら送ってやるぜと手招きしている。これに乗るか?つまり、アメリカ側についてウクライナ支援&ロシアへの経済制裁を続けるか、ロシア側につくのか、究極の選択に迫られているわけだ。

これは同じ敗戦国・日本にとって、決して他人事ではない。

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