2022年7月31日日曜日

東大の「民主主義」講座

https://www.youtube.com/watchv=0djLFfZeTeY&ab_ch
annel=%E6%9D%B1%E5%A4%A7TV%2FUTokyoTV
明日から、政治経済の夏期講座でほぼ準備を終えた。と、思ったら、たまたま私のYou Tubeのオススメ欄に、東大の宇野重規教授の「民主主義とはなにか:歴史から考える」という高校生と大学生のための講座が登場した。無茶長いので、面白そうなところだけ見てみた。

40分くらいのところで、M・ウェーバーの話が出てくる。WWⅠ後のドイツで、ワイマール憲法の起草に関わったらしい。初耳である。ただ、ウェーバーはかなり悩んでいたようだ。それは、議会の政党人の無力さと、ドイツ国民が政治思想を学んでいないという状況で民主的な憲法を作っても混乱するだけではないか。しかも、ドイツ国民はビスマルクのような、カリスマ性のある指導者についた経験がある。そこで、大統領の権限を強化することにした、という話。結局、この結果ナチの台頭を許すことになるのだが…。

…私の感想:M・ウェーバーは、実は有名なエディプス・コンプレックスで、母親を守るために父親を客死させている。その彼が、強大な父親像を憲法に書き込んだように思うが。

また、ハーバーマスの弟子・ハンナ・アーレントの「全体主義の起源」で、19世紀のヨーロッパは階級制社会で、それぞれの階級からこぼれ落ちる人々がいた。これらはじき出された人々(モッブ)は、自分たちを排除した民主主義社会を敵視し、代理制民主主義を破壊に回る、それが全体主義であると。

…ナチに協力したハイデッガーの弟子であるユダヤ系のアーレントは、かなり複雑な思いだったろうなあと思う。「全体主義の起源」は、全体主義に流れたモッブについて詳細に述べられている大著らしい。興味を惹かれた次第。

民主主義の4つの危機として、2016年のブレグジットとトランプ現象、権威主義国の増加、AIの専制?、コロナ危機と民主主義、といった議論が世界中でされているという話につながる。民主主義がうまくいってないという議論である。宇野氏は、民主主義は常に問題があるが乗り越えてきたと主張していた。

ところで、この宇野氏は、2018年と2020年の学術会議への推薦を政府に蹴られた人である。少し調べてみると、特定秘密保護法に反対する学者の会、安全保障関連法に反対する学者の会では呼びかけ人になっている。だから、何だと言われると困るのだが、最後に民主主義の意義について語っているところは、こういう背景を知った上でなかなか見どころ・聞きどころでもあった。学者らしく、理性的に自分の論を語っていた。

0 件のコメント:

コメントを投稿