2022年7月28日木曜日

アフリカの貧困&繁栄ポルノ

https://ascii.jp/elem/000/001/677/1677692/
久しぶりに、小論文指導でアフリカ開発経済学もやろうと思っている。で、途中まで読んだ「アフリカ希望の大陸」を開けていることろだ。第7章の「商業の地図」に面白いことが書いてある。以下ほぼ抜粋。

ヨソモノは、アフリカ大陸の市場をずっと無視してきた。援助の流入や「貧困ポルノ」(注目や寄付金を集めるために、貧困を材料にして同情を呼ぶような形で仕立てたメディア)がアフリカにはカネがないと刷り込んでいる。経済学者たちは、上から目線で人口あたりのGDPや変動する金利、援助まみれの政府予算といった気の滅入るマクロ経済指標にばかり注目する。…湾曲的に「政治リスク」と呼ばれるものに対する恐怖は誇張されすぎだ。クーデターや強制収容、その他開発途上国で起こり得る事業について投資家に補償を行う世界銀行の多数国間投資保証機関(MIGA)は、過去25年間でたったの6回しか支払いを行っていない。しかもアフリカはそのうち2回だけだ。

「貧困ポルノ」どころか「繁栄ポルノ」のような事実がある。BRICsを含めた世界の開発途上国地域より高い投資利益率を誇っている。世界で最も急速な経済成長を遂げている国の上位10カ国のうち、7カ国がアフリカに位置する。国連のポスターに映し出されたホコリまみれの足の向こうで、アフリカの中流階級は好景気に沸いている。…アフリカ開発銀行は、BOP(最貧困層)を底辺とするピラミッドの中程に位置する人々が3億5000万人はいると推計している。1日$2という貧困指標の10倍稼ぐ人々がアメリカの人口と同じくらいいるえわけだ。だからといって「太った国」の中流階級と同じようなものではない。(映画や輸入菓子、高性能な携帯電話といった小さな贅沢を楽しみ、ケーブルテレビや家庭用バソコン、我が子を質の高い私立学校に通わせると言った感じである。)これまでのアフリカについてよく聞かれていたような話た統計がもはやあてはまらなくなっているのは事実だ。ーもっと今までもあてはまっていたかどうかも怪しい。

「1人あたりのGDPが低いということは、ナイジェリア人は携帯電話は買えないはずです。でもナイジェリアには6000万人以上の契約者がいるのです。明らかにつじつまが合いませんよね。」とプライベート・ファンドのマネージャーR氏の言。

…これには少し注釈がいる。アフリカの携帯・スマホは、ほとんどが中国・深センなどで作られており、アフリカ人バイヤーの手で輸入されている格安のものが多い。アメリカ等の技術を盗み製品化しているという噂が絶えない。安かろう・悪かろうであるのは確かだ。日進月歩しているだろうが…。だからといって、アフリカ人をせめているわけではない。そういう世界があるわけだ。先日、そういった中国製の激安PCを詳細に点検するYou Tubeを見ていた。スペックなどの解説では、「ゴミ」扱いしていたのだが、きっとアフリカでは重宝されているのだろうと思う。多少遅くても動けばいいというスタンスだと思うのだ。きっと彼らは「太った国」の人間よりうまく使うはずだ。

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