2022年7月4日月曜日

現代思想の遭難者たち 2

「現代思想の遭難者たち」の書評、続編である。いしい氏はどうもハイデッガーをいじるのが特に好きなようである。この漫画は、ハイデッガーが、ナチスの協力者出会ったことに対して、質問を受けるという内容である。長々とハイデッガーは語るのだが、この漫画の最大の面白さは最後の最後にある。

「ボーズ ニクケリャ ケサマデ(坊主憎けりゃ袈裟まで)」と、坊主=ナチス、袈裟=ハイデッガーの意味でが言うわけだが、これに対する学生たちの反応が、面白い。「先生、どこかダーザイン、いやダサインですけど。」

学生の台詞にあるダーザイン(Dasein)とはハイデッガー哲学の中核をなす「現存在」のこと。ダサイと見事に韻を踏んでいるわけだ。

このダーザイン(Dasein)、高校の倫理の教科書にも出ている。よって、まともに倫理を学んだ最近の若者には理解可能なのである。我々の頃には、こういうドイツ語を学んでは来なかった。倫理の共通テスト&センター試験が長年にわたり少しでも難化しようと努力してきたことがわかるのである。(笑)

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