2018年10月24日水曜日

中国へのODA終焉に思う。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151225-00000009-wordleaf-pol.view-001
日本の中国へのODAが終わる。2018年度の新規案件(技術協力)を最後に終了する方針だようで、約40年続いたODAは総額3兆6500億円に達するそうだ。と、いっても無償資金協力ではなく有償資金協力がほとんど(完済しているらしい)であるはずだ。

そもそも日中国交回復時に、周恩来首相から戦後賠償はいらない(国交回復時に莫大な賠償金を得たら、血税をもってする故に、日本の人民に恨みを残す)と言われた日本は、ODAというカタチをとった。これは極めて正しい選択だったし、周恩来氏という人格が中国の国益と日本の国益をWinーWinに結びつけたと私は思っている。

さて、これで中国は開発途上国であるといるという主張はかなり鳴りを潜めるはずだ。そもそも中国的な思考は二元論的である。陰陽や儒教・老荘のように対極的な思考が共存する。したがって、矛盾を内在するというマルクスの弁証法的唯物論はそもそも中国に適した思考であった。ある時は途上国、あるときは世界の大国(先進国とは言わないところが凄い。)と主張する。これは、極めて中国的なものだと思う。環境問題では途上国の立場をとっていたが、最近はだんだんそういうことは言わなくなった。時代が中国に自信を与えているのかもしれない。

この機会に、中国政府はそれまでほとんど日本のODAの存在を明らかにしてこなかったが、マスメディアにこの事実を大々的に報道するよう指示したとか。この変化にも私は注目したい。

ただし、OECDには未だパートナー参加である。まだまだ紆余曲折はありそうだ。

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