2018年10月9日火曜日

ベネズエラのハイパーインフレ

https://mainichi.jp/articles/20180619/ddm/007/030/035000c
今日、EJUの時事問題の模擬問題をつくっていて、ベネズエラについて調べていた。IMFの世界経済見通し(WEO)で、2018年末で137万%、2019年には1000万%になるとの見方を示したそうだ。凄いな。まさにハイパーインフレである。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-10-09/PGB7946TTDS001

この原因を探っていくと、前大統領の「21世紀の社会主義」という、実態のないポピュリズムに行き着く。貧困層にばらまき政治をやっていたツケが今経済危機を起こしているのである。言うまでもなくベネズエラは世界でも有数の産油国である。マラカイボ湖に眠る原油が、レンティア国家をつくってきた。

レンティア国家は、天然資源の罠に嵌りやすい。莫大なレントは、無計画なばらまきと、デモクレイジーに消えてしまい、新たな設備投資や、レントを使った多角的な経済戦略(教育戦略やノルウェイやサウジのような国家的な投資機関設立、新たな産業育成など)もなく、悪いガバナンスの罠の見本となった感じだ。緻密な経済戦略を持たず、コトバだけの社会主義を標榜してもタンザニアのウジャマーのように無為に終わることは歴史が証明している。ベネズエラはまさに、その二の舞となったといえる。

今や、設備投資が行われなかったが故に、石油は減産スパイラルの坂を転がり落ちている。反米的外交政策をとっていた故(前大統領は、国連総会でも米大統領を悪魔と言い捨てた。)に、ロシア・中国に援助を求める可能性もあるが、計算高い両国に、失敗国家が助けを求めてもうまくいくとは限らない。まさに八方ふさがりの状況である。周辺国は、ベネズエラからの難民に危惧を抱いているという。

…悪いガバナンスの罠といえば、インドネシア・スラウェシ島の大地震被害でも、不可解な話が流れている。文化的・宗教的、あるいは自然環境など様々な理由があるだろうし、一概には言えないが、11日間経ったので捜索中止という不可解な指示が出ている。このところ、こういう理解不能な話が多い。うーん。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018100901051&g=int

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