2016年10月5日水曜日

IBTの話(41) 経済分野のヤマ

http://iaccount-support.com/
総合科目の補足説明も経済分野のヤマ場を迎えている。金融政策と財政政策の総まとめである。このあたりは、私がIBTに来る以前に一度生徒は学んでいて、言葉は記憶に残っている。ただ、日本語の能力、特に聞き取り能力が今ほどなかったので、難解な経済用語を理解するのはかなり難しかったはずだ。それで、再度講義をしている次第。

特に金融政策と財政政策で、インフレ・デフレ対策を行っていることを理解するのは難しい。今回は、信用創造をまず理解させた。おそらく3月の時点では理解できなかったと思う。プリントに図解を示して説明した。ここでのポイントは、銀行が貸し出しをするごとに、通貨が増えていくということである。次に、マネーストック(我々の世代はマネーサプライといった方がわかりやすい。通貨供給量である。)を教える。実際には、現金通貨は実際のマネーストックから見れば割合は少ない。預金通貨と国債(今日の画像参照)などの割合が多い。

このマネーストックで日銀の金融政策を語るとわかりやすい。通貨の供給を増やしたり減らしたりすることで、インフレ・デフレ対策となる。金融政策を一言でいうと、マネーストックをいかに増減するか、ということになる。政策金利は、現在は公定歩合が金融自由化でなくなったので、コール市場の金利で誘導する。この金利の変化で、金融機関の企業への貸し出しが大きく変化する。信用創造との兼ね合いが重要だ。預金準備率は、91年以来、下げ止めて動いていないが、これも信用創造に大きくかかわり、預金通貨の増減に影響を与える。そして、残る国債の買いオペ・売りオペ(公開市場操作)である。これも皆、マネーストックから説明できる。

この日銀の金融政策を後押しする、政府の財政政策は、累進課税や社会保障という自動的なシステムと、恣意的な税の増減、さらに有効需要の問題が出てくる。これで、ポリシーミックスの完成である。

汗をかきながら、金融政策と財政政策による景気対策を講じていたら、次々と生徒の顔が赤らんでいく。かなり複雑な経済システムの謎が解けてきたらしい。経済分野のヤマを越えたわけだ。いよいよ、IBT対策も、問題演習に入っていく。

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