2011年1月20日木曜日

ミニ国連 2010 「G0」を採択

 ミニ国連は、4時間目のB組からスタートした。今日は、6時間目のA組とともに、アメリカの提案を審議することにした。15日付ブログで書いたように、今年のリスクNo1は、G0(G7でもG20でもなく、Gゼロ、すなわち世界をどの国もリードできない状態を意味する。特に、イラクでの失敗やリーマンショックでアメリカの地位が低下し、世界が混沌としているのだ。)であるらしい。で、アメリカの生徒諸君には、アメリカの復権をテーマに提案を考えてもらったのだった。
 
 B組のアメリカは、自由と民主主義を守る”明白天命”にしたがって、「テロ防止促進法」である。テロを行う国は「悪の枢軸」とみなし、国連はアメリカを中心に制裁を加えるべきだときた。核に対しても、その保持を絶対ゆるさないという。テロと核。質問が次々出て、混乱した。テロの定義。何故テロが起こるのか。核の保持の意味などをちょっと整理した。だが、アメリカの凋落は、我がミニ国連でもすでに明白であった。結局、日本とクウェートだけが賛成して否決されてしまった。アメリカが世界の警察だと皆思ってないらしい。どうしたんだ!キャプテン・アメリカ!

 一方、A組のアメリカはは、国土や人口をもとに、一定の比率で自然エネルギー(太陽光・風力・地熱・波力など)を使用することを義務付ける法案。月曜日の第1回ミニ国連でのハイチの提案は、ぶっつけ本番で苦労したので、法案の説明書をつくり、事前に持ってきた。事前に印刷してほしいと言う。なかなかやるではないか。日本やアイスランドはアメリカと共同提案という形であったのだが、アイスランドが、アメリカとはちょっと考えが違うと、新たな自国の法案の説明書をもってきた。おお。「環境問題」はやはりヨーロッパ主導にしたいわけだ。アイスランドは、長期的展望に立って、先進国で『水素エネルギー』の共同技術開発を訴えてきた。さて、本番。途上国が、アメリカに疑心暗鬼を露骨に表明した。クウェートは石油需要が減ることに不満を表明した。大混乱である。さらにアイスランドの離反に続いて、日本も独自の技術立国であるとのカラーを鮮明にしだした。アイスランドがそれに応酬する。アメリカの立場が埋没していく。結局、時間ギレで、アメリカ案とアイスランド案それぞれを採決した。アメリカ案に賛成したのは、日本とマリ。アイスランド案に賛成したのは、中国のみ。両方とも否決されたのだった。
 私は、このアメリカの「環境法案」は面白いと思っていた。グリーン・ニューディールを途上国にも拡大して、新しいビジネスチャンスをつくるとともに、途上国の雇用を促進し、太陽光発電などで砂漠化の進展を防げるし、水力発電などは有効需要を生む。マリが賛成したのは、そういう生活改善や電力によるポンプで深い井戸から灌漑農業の可能性もあるからである。女性の仕事も大きく軽減できる。しかし、ハイチは最後まで疑心暗鬼をとかなかった。アイスランド案に日本は、競争こそ技術の向上がある、とかいつもヨーロッパがグローバルスタンダードを奪っていくとか、かみついたので印象が悪くなったようだ。水素エネルギーの開発を共同化して低コストで少しでも早く開発しようという訴えに反応したのは、唯一、中国だった。もしこれが現実ならば優秀な科学者を送ることになるだろう。(笑)しかしながら、両案とも否決。これは私の想定外だった。「京都議定書にも乗らなかったアメリカが何を言う!」「中国も反省せよ!」といった意見がでるかと思ったが、アメリカと日本と欧州、さらに中国、中東、途上国と見事にバラバラ!この審議、まさに『G0』を象徴するような審議となったのだった。

追記:長宗我部昌成さん、読者登録ありがとうございます。読者登録が14人になりました。(嬉)よかったらコメントをお願いします。

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