2011年1月17日月曜日

ミニ国連 2010 「3/5法案」

ミニ国連/中国・クウェート・日本
  A組でミニ国連が始まった。残り時間が少ないので、全部の法案が審議できないのは残念だがやむを得ない。議長国・マリと検討した結果、ハイチの提出した「3/5法案」を最優先で審議することにした。この法案、先進国の製造業は雇用や資源を60%途上国で賄う事をうたっている。高校生らしい提案だと私は思う。(すなわち、かなり実現不可能な提案である。)だが、開発経済学を学んで、生徒たちはどう反応するかに興味があったのだ。
  議長が、テーブルベルを鳴らして審議開始。(こういうグッズが雰囲気を盛り上げる。アクティビティでは重要だ。)様々な質問が、アメリカや日本、アイスランドから次々と浴びせられる。ハイチの大統領は大変だ。
 まず、雇用は現地なのか、先進国で引き取るのか。先進国に来るとなると様々な異文化共生の問題が出てくるではないか。また先進国の失業率が上がることは、マクロ経済的に結局経済を失速させるのではないか。
 次に、資材とは、生産財をさすのか、設備投資をさすのか、あるいは途上国に工場立地をした場合の消費財なのかという質問もでた。
 さらに、途上国の「技術の集積」のなさを批判する質問もでた。
 あるいは、この提案は、時限的なものなのか、恒常的なものなのか。
 ハイチの大統領(彼女は大変聡明で前向きな生徒である)は四苦八苦していた。大混乱しつつ、結局、「途上国にスキルを与えて欲しい、これが最大の眼目である。雇用創出による富の再分配は二の次なのだ。」と答弁した。ハイチの他のメンバーは、「時限立法的なものでもいい。」と発言した。また中国からは、「60%は多すぎないか」という指摘。「3/5法案」だが、45%から60%の間でもいいと大統領は妥協もした。 時間も残り少なくなった。議長は「採決する!」と、またベルを鳴らした。2分間各国で審議。さて、その結果は…なんと、中国とアイスランド以外は賛成に回ったのだった。
 
ミニ国連/アメリカ・アイスランド・ハイチ
 アメリカ大統領の弁。「私は絶対反対だ。」と言った。「失業率が上がるし、こんな法案ダメだ。」と言ったが、他のメンバーが「反対する理由がない。」と…。日本も、私の後の解説を聞いて「今思うと何故賛成したのか不思議だ。」と言った。(笑)おもしろいのは、アイスランドである。そもそも次回共同提案される「環境関連の法案」で、先進国の共同研究でスキルアップした環境機材の生産を全て途上国でと言っていたはずだが…。どう考えても資本主義の理念に反しているという理由で反対に回ったのだった。中国は、一言。「メリットがない。」中国は最後まで中国だった。(笑)
 さて、センター試験・倫理の結果は、あと1点というところで4年連続90点をのがしてしまった。まあ一生懸命やった結果だから仕方がない。受験は、これからが勝負である。
 ところで、息子が昨年末に得たグッド・パートナーと共に、今日、成田からコペンハーゲン経由で「龍動」(林望センセイが、薩摩スチューデントの心象から、ロンドンをこう当て字している:12月30日付ブログ参照)へと旅立った。はたして「龍」になれるか。父親としては期待半分、不安半分…いや「3/5」かなというところである。

0 件のコメント:

コメントを投稿