2010年12月19日日曜日

Dr Pepperと海兵隊

 先日水戸に所用で言った際、自動販売機でDr Pepperを見つけた。「これは珍しい。」と私が言ったのを覚えていてくれた方が、昨日またまた会った際に「さらに珍しいペットボトルがあったので…」と手渡してくれた。感謝である。このDr Pepperには、ちょっとした思い出がある。昔々、ノースカロライナ州のニューバーンという街の高校を訪問した。ここの学校の教頭先生が、前任校のAというALTの父上で、是非ともアメリカに来るなら視察しに来いとさそってくれたのだった。校内をひと廻りしてから、教員の休憩室といった場所に案内された。会議が入ったので少し待っていて欲しいということで、30分ほどそこにいた時、自動販売機にDr Pepperがあったので、初めて飲んだのだった。奇妙な味だった。妙に香辛料が効いていて、決しておいしいわけではなかった。だが、それ以来癖になって、アメリカに行くとつい手がでるようになった。

 さて、その休憩室にはいろんな先生が来た。1人ひとり挨拶をし、歓談したのだが、ある理科の教師が、「我々は教頭のゲストだ。」というと、こう言ったのである。「そうか。彼は海軍の出身でね。私はマリーン(海兵隊)だ。」とウインクした。私は大笑いして「あなたは、彼よりもずっと強いんだ。」と言うと親指をたて、握手を求めてきた。これには少々解説が必要である。海兵隊は、アメリカ軍の中でも最強の軍隊である。まだ徴兵制がしかれていた時でも志願制だった。その主任務は敵前上陸で、最も危険である。たとえ航空機のパイロットや後方任務の者でもライフルが使え、格闘技が使える。つまり海兵隊所属であれば、全員が接近戦が可能なのである。海兵隊は昔から、敵前上陸をする前には、輸送船に棺桶を用意していたと言われている。そう、海兵隊のモットーは、戦友を見捨ていないことで、たとえ死体となっても故郷のママの所に届けるのが海兵隊なのだ。ちなみに、大統領がよくヘリコプターで移動するが、あれは必ず海兵隊のものである。
 理科の先生が、私がそれを知っていたことに喜んだわけだ。教頭先生がちょうど戻ってきて、「そうなんだ。何かあると、彼はそのことを持ち出す。」と困った顔をした。私はまた大笑いをしたのだった。日本ではありえない自慢だが、アメリカでは、軍は極めて身近な存在なのである。

 いただいたDr Pepperは、今は冷蔵庫に寝かせてある。アメリカを思い出しながら、ゆっくり味わおうと思う。

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