2010年12月7日火曜日

手を挙げなかった理由

 期末考査2日目であるが、音楽の非常勤講師の先生が来られるのが火曜日だということで、来週月曜に予定されている国語科20周年記念式典の予行が放課後行われた。つまり、予行のメインは、歌の練習なのである。私は、MW校生の、歌詞カードにひらがなのルビをふったりしていたのだった。さて、今回の20周年行事、F教頭先生がまさに弁慶の仁王立ちのように奮闘されている。F教頭先生は、凄い女傑で、その責任感と大局観、さらには人情の機微にふれる指導に私自身は感服している。今日は予行の最後に、F教頭先生から、生徒全員に魂のこもった指導があった。その中で、生徒に「本校のことを好きですか?」と呼びかけられた。あまりの唐突な一言であったのかもしれない。生徒はシーンと沈黙したままだった。それで、もう一度聞かれた。3年生を中心にハイという声や手が挙がった。普段の本校生のノリではない。私は、おそらく多くの生徒は、何事かと思索していたように思える。反応しきれなかったのであろう。さらにF教頭先生は、「先生方はいかががですか?」と聞かれた。ほとんどの先生方が、反射的に手を挙げたのだった。

 実は、その時私は、手を挙げなかった。その理由を考えている。最も大きな理由は、私の本校への想いは、「好きですか?」と問われ、手を挙げて示すという形では表現できないからである。2月1日付のブログで吐露したように、『猶余忠義塡骨髄』なのである。私は、本校への想いを、たとえば、8校合同仮想世界ゲームをユネスコスクールになれなかった本校で開催するとか、人知れず塾を回って生徒を集めるとか、他の先生方とは少し違った自分なりに考え抜いたうえでの『行動』でしか示せない。多少、へそ曲がりの論理だが…。
 軽いノリで手を挙げることは、私にはできない、というか、その時したくなかったのだ、と思う。

 F教頭先生にさからったつもりはない。先生は私の想いをよく知っておられる。おもしろいことに、2年生の生徒に「先生は、うちの学校が嫌いなんですか?」と問われたことだ。おいおい、後ろまで見渡してたのか?と思ったが、「ああゆうの、恥ずかしい。嫌いな人間が、本校のネクタイピンを毎日してるわけないだろう。」と言ったら、「よかったぁ。」と笑顔を見せたのだった。案外、恥ずかしかったのかもしれない。(笑)

 さて、昼から、今週金曜日に行われる大阪市立高等学校教育研究会(市高研と普通略する)の社会科部会の発表のために、今夏に作った「8校合同仮想世界ゲーム実施報告書」を印刷・製本した。U先生と、神戸大学文学部という場所をお借りして研究発表するのである。『猶余忠義塡骨髄』、体調はもうひとつだが、微力ながら御奉公させていただくつもりである。

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