2010年12月25日土曜日

アフリカの誇りが民主主義を創る


アビジャンの国連軍
岡村コートジボアール大使のブログが、「筆を擱く」という記事を最後に、休止されることになりました。緊迫したコートジボアールの情勢が詳細に書かれていて、非常に貴重なブログだったのだのですが、残念です。岡村大使は、「筆を擱く」の中でで次のように書かれています。

『今回の事態は、アフリカの地で民主主義が完遂できるのか、という大きな問いを、私たちに投げかけています。誰もが読んでいるこのブログでは、私の認識と評価を書くことは控えます。ただ、私を勇気付けたのは、あの投票日に、酷暑の中で何時間もの間も並んで、それでも自分の一票を投じようとしていた、ものすごい数の人々の姿です。子供を腰にくくり付けて、投票用紙を手に並んでいたお母さんたちの姿です。この不便極まりない土地で、投票率8割を超えるという選挙への熱意を前に、アフリカの人々を決して、民主主義に遅れた人々だと考えてはいけないと感じました。

 そして、今回の事態に、アフリカ諸国が一番激しく反発している、という事実です。アフリカでせっかく定着しつつある、民主主義と平和と、そして繁栄への道を、コートジボワールが台無しにしている。そのことへの、アフリカ諸国の人々の強い怒りです。私は、そこにアフリカの人々の誇りを見ます。アフリカが、植民地主義への被害者意識を過去のものとし、これから自分自身が進むべき道を堂々と打ち出している、その誇りと自信です。』
 
 アフリカの民主主義について、岡村大使は決して悲観されていなのだと強く感じました。
 私もブルキナでは、表面下で様々な政府批判を聞きました。だが、あまり表に出しません。それは、再分配する富が少なすぎる故、政治的な対決をしても益がないという諦観のような気がしました。だからこそ、ブルキナは平和なのかもしれません。だが、識字可能な人びとは、熱心に新聞を読み、TVでも西アフリカのフランス語圏の国々のニュースが毎日流れ、意識は決して低いわけではありません。ブルキナは、コートジボアールと深い絆をもっています。私が世話になったアブさんもコートジボアールから帰国した人でした。きっと、今回の騒乱を心配し、憤っているているに違いありません。

 岡村大使の言われるように、アフリカの人びとの誇りこそが、民主主義を創っていくのだと思います。岡村大使、ありがとうございました。また再開される日を楽しみしています。

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