2010年8月21日土曜日

3種類のZEN


 夏休みの土曜日全コマ倫理補習シリーズも最終戦である。今日は、日本文化の特徴から、奈良仏教・平安仏教・鎌倉仏教とやって、中国思想へリンク、孔子・孟子・荀子、朱子、陽明学と…儒家をやって、老荘思想。再び日本思想にもどって、古学、国学、その他の近世思想と、計プリント14枚分をやり通した。ふっー。仏教は3週間前に重要な部分をやってあるので、その復習も兼ねて。中国思想は、センター・スキルを中心に。案外よくでる日本近世思想も。というわけで、なんとか近代日本思想以外はおよそカバーしたのである。

 今日の補習で、まあ一番面白い話は、禅の話かもしれない。日本の禅宗には、栄西の臨済宗と、堂元の曹洞宗、それと隠元の黄檗宗がある。私は、臨済禅と黄檗禅を経験したことがある。曹洞禅も知っているので、これらを比べてみると、それぞれ三者三様である。臨済禅は、禅を組んでいると、前にこっちを向いた他者が見える。要するに対面しているわけだ。曹洞禅は、反対に壁に向かって座る。つまり、前は壁である。黄檗禅は、他者の後ろ姿が見えるのである。黒板に図で示すとよくわかる。で、生徒の質問。「どれがいちばん怖いですかねえ。」要するに、”ケンサク”でシバかれるのが、どれが一番怖く感じるだろうか?という質問らしい。「やっぱり曹洞禅かなあ。見えないし、いつくるかわからんし。」「なるほど…。」しかし、と私は思った。他者がシバかれているのを見るのも、そして一歩一歩近づいてくる恐怖もなかなかのものであると…。

 「一か月ありがとうございましたっ!」という声で補習は終わった。毎週1回だったが、極めて濃い時間だったと思う。

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