2010年7月25日日曜日

横綱の矜持に”あっぱれ”


 横綱白鵬が、大鵬の連勝記録を更新して3場所連続全勝優勝した。凄い快挙である。ところが、リアルタイムの放送もなく、表彰式も寂しい。全て相撲協会をめぐる野球賭博云々によるバッシングの結果である。最近の日本社会は、大切なものを失っているように思われる。マスコミが強大な世論形成の力となっているが、マスコミの識見は、所詮商業主義に立脚している。売れる新聞・雑誌、視聴率の上がる番組が重要でり、”正義面”をした怪物がマイノリティの意見を押しつぶしていく。

 大相撲と賭け事や暴力団は関わりが深いらしいことは、素人でもわかる。相撲協会は本場所以外にも巡業を行っており、地方の様々な組織と関わる。もちろん私は暴力団を弁護するつもりはないが、そういうものだと思う。マスコミも解っていながら、手の平を返したように”正義面”を振りかざし、これでもか責め立てる。ニュースとしては過激な方がウケる。これに世論が動かされる。ホント、日本はどうかしていないか。

 相撲のマンガでも、賭け事や暴力団との関わりが出てくる。「のたり松太郎」では、頻繁に賭け事のシーンが出てくるし、阿久津という弟弟子の関連で暴力団の話も出てくる。「ああ播磨灘」でも、結局玄海組の組長が播磨灘を徹底的に支援する話が出てくる。これらのマンガは決してマイナーなものではない。マスコミの誰か、なんかクレームをつけたのであろうか。<http://hakaiya.com/20100617/diary-398参照>

 亡くなって8年になるが、うちの母親は、大相撲が好きだった。亡くなる前の5年間は脳梗塞で意識が戻らなかったので、大好きな相撲中継が見れなかった。場所が始まると、母親がTVをを見れないことが悲しかった。もし母親が生きていれば、どんな理由があろうともTV中継を望んだに違いない。おそらく全国で、そういう老人が多いのではないかと思う。ずいぶん寂しい想いをされたのではないか。

 そんな異常な場所でありながら、全勝で横綱の矜持を貫いた白鵬。私は理由など付けずに、純粋に”あっぱれ”を挙げたい。来場所は、全国のファンに千代の富士の記録に迫る姿を生で見せてあげて欲しいと、これまた理由など付けずに要望したいと思うのである。

2 件のコメント:

  1. >最近の日本社会は、大切なものを失っているように思われる。マスコミが強大な世論形成の力となっているが、マスコミの識見は、所詮商業主義に立脚している。売れる新聞・雑誌、視聴率の上がる番組が重要でり、”正義面”をした怪物がマイ
    ノリティの意見を押しつぶしていく。

    真もってそのように思います。

    昨夜、こちらのオヤジ氏らともそんな話になりました。ジャーナリズムの三面記事化。政治もそのおかげをもって短命政権が続いているし、ジャーナリズムは「暴露」することを目的にしていて、その先に何があるのかを全く示そうとしない、というか、そういう能力すら持っていないと思うのです。

    こんなメディアに振り回されない人間でありたいものです。

    とかなんとか、彼の地で考えています。

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  2.  荒熊さん、コメントありがとうございます。今大変な状況のようですが、マラリアは大丈夫ですか?アラビックは我が家にあふれていますが、あんな記号が読めると言うこと自体が不思議です。ご健闘をお祈りします。オヤジ氏にもくれぐれもよろしくお伝えください。全く別件ですが、先日の荒熊さんのブログのJUNKOさんのコメント、大笑いしました。

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