2024年2月26日月曜日

高校教育現場の社会学1

これまで、様々な高校の現場を見てきた。ふと、教育現場の社会学という視点で何か書いてみたいと思った。まずは、教材研究系教師と部活優先系教師という分類。

昔々、新任の年に状況報告のために母校を訪ねた時、採用に当たって非常にお世話になったN先生から、「教師は授業が命だ。」と言われた。当時進路指導部長だったN先生は、大阪市立の高校の社会科部会の部会長をされていたことを後から知った。市教委のアメリカ視察を終え、社会科部会で発表をさせられた後、反省会で部会長OBの某教頭から、「N先生の教え子の君は、この社会科部会でその恩を果たさねければならない。」と言われ、妙に納得したことがある。以来、国際理解教育学会で発表した内容(アフリカ開発経済学やワークショップ)を中心に何度も発表させていただいた。一方、私は子供の頃から運動が得意ではなかった。部活は新任の時を除いて、第二・第三顧問であることが多く、美術部の主顧問もした経験があるが、非常勤の美術の先生が指導をしてくれていたので、展覧会の設営くらいが中心。だから、ほぼ完全な教材研究系の教師である。とはいえ、担任の時はできるだけ多くの部活の試合を見にいった。サッカーやラグビー、バスケットは試合時間が決まっているのでいいが、野球やテニス、バレーボールなどは長くなることもあるので顧問の先生は大変だなあと思った。柔道や剣道も見に行ったことがある。オール大阪でいっぺんにやるので、これも長くなる。陸上も種目が多いし1日仕事だった。だから部活に全く無関心ではない。(笑)

部活優先系の先生は、やはり体育や芸術系の先生が多いのだが、普通科の先生方もたくさん見てきた。御本人の熱意次第だが、かなりブラックな勤務状態になっている。部活の指導を教師の仕事から外す取り組みも検討されているが、部活指導がしたくて教員を志望する学生が多いのも事実である。それまで取り組んできた専門の部活の顧問ができればいいのだが、なかなかうまくいかないことも多い。専門の部活がなかったり、先任者がいたり、運に左右されることが多い。だが、生徒ともに泣き笑いできるのが魅力。私もできれば、そういう部活の時間を持てばよかったと思うこともしばしばである。ただ私の場合は、部活ではないが、リーダースキャンプや文化祭などの行事で同様の経験をしてきた。生活指導部内の特別活動というカテゴリーになる。かなりレアなスタンスである。ところで、部活優先系の先生が陥りやすい罠がある。特に優秀な成績をを目指し真剣に取り組む部活の場合、専制的になりやすいのである。レギュラーの指名=生徒の生殺与奪を握る事になるので、そもそも運動系部活未経験者の私などは、ついつい危険だなと思うこともある。これが私の邪推であることを祈るのみである。

教材研究系教師と部活優先系教師、どちらがいいのか、などという議論はナンセンスであるし、両立するのは、なかなか大変である。しかも経験を積んで校務分掌の責任者になったりすると、校務分掌優先系教師となる場合もある。教務や生活指導、進路指導など、かなりの重責ゆえに、そちらに最も比重が置かれる場合も多い。仕切るのが好きという人がいるのだ。ちなみに、管理職(校長や教頭)になる人には、教務部長か生活指導部長の経験者が多い。中でも教務の仕事内容がわからないと管理職は難しい、と私は思う。ちなみに両方詳しいのが理想だが、そういう人はなかなか貴重な存在である。

と、つらつら書いてみた。公立では、これらの系統に当てはまらないデモシカ系教師もいる。それはそれで、メタに視た場合、必要な気もするのだった。(笑)

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