2024年2月12日月曜日

憂悶 大阪の公教育

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/993808
大阪府の中学校長会の調査で、府立高校(もちろん旧大阪市立高校を含む)の志願状況が明らかになった。私学志向が高まっており、公立の普通科中堅高は軒並み倍率を落としている。工業科などは目も当てられない状況であった。当然ながら、定員割れを起こした学校は、全入(全員が入学可能になる)となる。受験生にとってはありがたいかもしれないが、長年公立高校の教師をしていた私の経験から見ると、本来その高校のレベルに届かない生徒が入学し、様々な問題が起こる。授業のレベルの低下が起こり得るし、中途退学者も増える傾向にある。全入のメリットはゼロである。定員割れの調査結果を見た管理職や入試担当の教務の先生方は、ホント気が気ではないだろう。

行政から見れば、定員割れの高校をどんどん統廃合するための踏み絵なのだろう。公立である以上、税金を使い運営しているので、その効率化を全面否定するつもりはないが、教育を効率だけではかるべきではない。おそらく、このような大阪の公立高校の状況を見て、教員採用試験の倍率がさらに低下する。他府県や私学に優秀な資質を持った学生は流れるだろう。要するに教員の質が低下する可能性が高い。某政党の無茶苦茶な教育行政に嫌気が差して、大阪に見切りをつけ、マレーシアに、愛媛に、そして私学に移った私だが、異常に酷くなっている様に思う。後輩の先生方のご苦労が明らかに見えるだけに、憂悶せざるを得ない。

さらに某政党は、大阪公立大学の9月入学や英語による全面講義などを打ち出したようだ。この件は賛否分かれるところだが、所詮お得意のオプティミズム的な、「思いつき・花火」だと私は受け取っている。国際人育成というが、英語で授業すれば国際人になれるのか。それ以上に問題なのは、9月入学。日本の就職制度にどう向かい合うのか。4月が新学期の教員志望者はどうなるのか。多くの学生は国内で就職する志を持っている。この9月入学問題は、国として、小学校から大学院、すべての企業の同意のもとに、一気にやらないと絶対にうまくいかないのは自明の理だ。

大阪公立大は、関西では、京都、大阪、神戸に次ぐ大学だと見られている。これらの改革を言うまえに、高校生にに事前にマーケティング調査したのだろうか。した結果支持されたのだろうか。私はこの改革(改悪)によって志願者が大幅に難関有名私大に流れると思う。まさに某政党得意(または特異)のの浅知恵。都構想にしても万博にしても、カジノやF1開催にしても、地に足がついていない話題性だけを追った政策である。万博やカジノなどに税金を無駄遣いする暇があったら、教育現場の姿を直視して、数字に見える学力だけでなく、様々に頑張っている良い高校をひとつでも多く残すべきだと思う。

…愛媛県知事は、地域創生に頑張っている三崎高校を視察に来られたし、公営塾にも顔を出していただき、わざわざ講師陣を激励していただいたぞ。

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