2023年6月8日木曜日

台湾侵攻のリアル2

https://note.com/pkuta
ragi/n/n895993e47741
「メディアが報じない 戦争のリアル」(小川和久/SH新書)の続きである。台湾有事論が非科学的な理由のその二は、上陸適地の問題である。3000人規模の機械化部隊を上陸させるには、岩礁など障害物がない幅2kmほどの海岸線が必要で、台湾本島の海岸線の10%強、14箇所しかない。(上記画像)この限られた上陸適地に進み、台湾側の砲兵部隊の射程外70kmあたりの海域で、輸送船から上陸用舟艇やホバークラフトに移乗、海岸線に殺到することになる。

この場合、航空優勢を確保していないとさらに厳しい。台湾側は限られた上陸適地に部隊を集中させることができるし、台湾が注力してきた高速ミサイル艇も大きな脅威になる。陸海空から壊滅的な損害を被るのは必定である。100万人のうち何万人が上陸できるかわからない。たとえ上陸できたとしても予備役200万人が待ち構えているわけで、冷静に考えれば、台湾占領など不可能だといえる。

福建省に1600発以上を展開している短距離弾道ミサイルを使い、台湾の政治・経済・軍事の重要目標を攻撃し、混乱に乗じて傀儡政権を樹立する斬首戦もあくまでシナリオとしては存在するのだが、これはアメリカとの全面戦争を招く危険が大きすぎるので、中国が採用するとは到底思えない。

上陸作戦云々は、脅しに過ぎない。著者によるとプロ同士で話せば、人民解放軍の将軍たちも素直に認めているところであるそうだ。

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